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「若い人にも来てもらえる銭湯を作りたかった」
さて唐突ですが、今回、取材班はどことなく「芸術家の雰囲気」が漂う、渋かっこいい4代目店主の大倉さんに「南青山 清水湯」についてインタビューをさせていただきました。
公式サイトを見ると清水湯さんはとても歴史のある銭湯とのことですが、いつ頃から営業されているのでしょうか?
正確な年はわからないのですが、私の祖母が産まれた頃にはすでに「清水湯」はあったという話で、少なくとも明治30年代より前にはこの地で銭湯をやっていたようです。かつてはもうすこし北に建物があったのですが、東京オリンピックの開発で、こちらに移動してきたんです。
なるほど、明治の昔からこの場所で銭湯をされていたのですね。その頃はまたこの青山・表参道という場所も違う雰囲気だったと思いますが、そこから100年間も続けられているのは凄いことだと思います。この「清水湯」というお名前はどういった由来があるのでしょうか?
昔は、この周辺の湧き水はとても綺麗だったのだそうです。そう言った湧き水の出る場所、ということで、「清水湯」という名前になったと聞いています。
現在の形にリニューアルされたのはいつ頃ですか?
2009年に現在の洋風の建物に改装しました。当初はもう銭湯はやめようという話もあったのですが、やはり「表参道の銭湯」というものを失くしてしまうのはもったいない、ということでなんとか今の形で現在まで営業させてもらっています。
「銭湯」というイメージとはだいぶ違う、とてもおしゃれな銭湯になっています。どのようなコンセプトでリニューアルされたのでしょうか?
一般的な「銭湯」って、敷居が高くないですか? 表参道は時代の最先端行く若い街です。それまでの常連さんだけでなく、とにかく「若い人」に来てほしかった。敷居を下げて、若い人たちにも気軽に楽しんでもらえるようにしました。お陰様で、リニューアル後は特に若い女性の利用が増えました。そして最近はまた若い男性の人たちが本当に増えてるんですよ。嬉しいですね。
「敷居を下げるため」にモダンでヨーロピアンなデザインにされたのですね。
和のイメージを全てなくして、ヨーロピアンなイメージに統一した理由は、やはりこの表参道や青山という街の雰囲気が大きいです。この街はエステや美容室、おしゃれなレストランがたくさんあります。表参道に来る皆さんにエステや美容室と併せて清水湯を楽しんでもらいたいというふうに考えました。お湯には全て軟水を使用していて、高濃度炭酸泉やシルキーバスを設置したのも、美容や健康に効果があると期待できるからです。
「若い女性」をターゲットにされたということですが、客層はどういった方が多いですか?
それはもう本当に幅広い方に使っていただいています。地元の常連さん、高齢者から大学生まで年齢、性別を問わずいらっしゃいます。土日は家族連れの方が多いですし、夏休みは子供たちが増えますね。それから旅行者、観光客の方もたくさんいます。
実際に利用してみると、ヨーロッパ系の外国人の方の利用がとても多いなと感じました。
そうなんです。外国人の方、アジア系よりも西洋の方が多くいらっしゃいます。近所に住んでいて毎日来られている方もいますし、観光客の方も多いです。どうも海外のガイドブックに掲載されているらしく、日本語を話せない外国の方もいらっしゃることがあります。やはり観光のついでに来やすい、表参道という立地が大きいのかもしれません。
今後「清水湯」はどのような銭湯を目指していくのでしょうか?
この表参道・青山という地で、これからも常連さんや地域の方には健康増進の場を、そして若い方や働いている方には仕事終わりや休日の息抜きやリラックスの場を提供し続けて行きたいと思っています。清水湯に入って、皆さんが元気になってくれればいいなと、それが一番の思いです。
終わりに
東京の繁華街にどっしり佇むモダンな銭湯「清水湯」、いかがでしたでしょうか?
大倉さんへのインタビューでは、地域の人、若い人、表参道を訪れる人、いろんな人に気軽に銭湯を使ってもらいたいという願いを強く感じました。
実際、「南青山 清水湯」さんのロビーでは、大学生くらいの男性がマッサージチェアに揺られている横で、高齢のおばあさんが若い女性とおしゃべりしている風景を目にしました。この年齢を超えた人々が同じ空間でお風呂を楽しんでいるということが、清水湯さんの目指す銭湯の姿そのものなのだと感じました。
またこちらの従業員さんには若くおしゃれな女性が多く、銭湯というよりもアパレルショップやシアトル系カフェに来ているようでした。こういったことも、清水湯さんの雰囲気作りの一翼を担っているのでしょう。
表参道にショッピングへ来て銭湯へ、そんないつもと違うデートも面白いのではないでしょうか。表参道交差点から徒歩すぐの銭湯「南青山 清水湯」。皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
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