【動画レポ】静岡随一の“とろっとろ” 梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】

東西に長い静岡県、その真ん中静岡市にアクセス抜群の秘境温泉があるのをご存知でしょうか?今回はそんな梅ヶ島温泉で最も濃い温泉を持つ、ひとり旅・仲良しグループ・合宿にオススメの、看板猫の宿【いちかわ】さんを取材しました!

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▼レポート動画▼

静岡一の泉質「梅ヶ島温泉」

梅ヶ島温泉の渓谷の写真

皆さんは、「梅ヶ島温泉」をご存知でしょうか?

東西にものすごく長い中部、静岡県。とくに東部は伊豆半島を持ち、熱海や伊東を中心に数多くの「名湯」が存在します。そして西部にも先日ご紹介した舘山寺温泉など、ユニークな温泉地が点在しています。

しかし、県内でもトップと言える素晴らしい「泉質」を持つ温泉は、静岡でも中部、静岡市の山奥、梅ヶ島温泉にあるのです。

県庁所在地なのに秘境!?

Google Map of 梅ヶ島温泉

静岡県の県庁所在地のある静岡市は、葵タワーや新静岡セノバがあり、名実ともに静岡県のビジネス・ショッピングの中心地です。

ところがこの静岡市、街を出てちょっと北へ行くとそこはもう山の中、あっという間に秘境にたどり着きます。

じつは静岡市は南北にとても長く、市の境界線が大井川鐵道で知られる井川町や、山梨県と接しているのです。

そのため「静岡市内」でありながらそこは鹿やイノシシの出没する秘境なんです!

梅ヶ島温泉

これら静岡市の秘境地域は「オクシズ(奥静岡)」と呼ばれ、数多くの素晴らしい温泉が点在しています。

その中でも最も奥地、山梨県との県境にあるのが「梅ヶ島温泉」

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奥地と言っても、新東名高速道路からは50分、市街地からも1時間とものすごく近く、路線バスも充実しているので、アクセスはとても簡単です。

梅ヶ島温泉が開湯したのはなんと1700年前。山に住む仙人が発見し、その後武田信玄の隠し湯として愛用されたと伝えられています。

「たまご臭」のする単純硫黄泉はトロトロで、「化粧いらずの湯」とされているのですが、お湯の質と、その山あいの雰囲気が相まって、古くから「心の保養」にも良いとされてきました。

現在では10件ほどの温泉宿が並び(手前には日帰り温泉もある)、秋には紅葉、冬には雪の舞う静かな温泉郷として親しまれています。

看板猫の宿 いちかわ

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の外観の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板の写真

今回お邪魔した【湯の宿いちかわ】さんは、安倍川沿いに立つ家族経営の旅館さんです。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

旅館に着くと一匹の看板猫が出迎えてくれます。

その名前は「みやお」ちゃん。

なんと、こちらがカメラを向けると大サービス!!

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

 

「みゃーお!みゃーお!」と鳴きながら、ゴロゴロゴロ

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫のGIF動画

ゴロゴロゴロゴロ・・・・

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

なんと「みやお」ちゃん、自分で引き戸を開けて出入りできる頭のいい猫ちゃんなんです。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫が取材されている雑誌の写真

雑誌にも載ったことがある看板猫ちゃんなんだそうです。

この「ウェルカムサービス」も、カメラと美人の前でしかやらないんだとか!?

最高にとろっとろの源泉掛流し

さて、さっそく温泉のご紹介です。

内湯

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の内湯の写真

【いちかわ】の温泉浴場は実のところやや小ぶり。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の浴槽の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】のカランの写真

浴槽が1つとカランが3〜4つ。

露天風呂

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の露天風呂の写真

【いちかわ】には露天風呂もあります。こちらの露天風呂も、内湯と同じく源泉掛け流し。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の露天風呂の写真

内湯・露天風呂の両方とも男女に大きな違いはありません。

梅ヶ島温泉イチの泉質

このように、【いちかわ】の大浴場は派手な装飾や最新の設備があるわけではありません。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の浴槽の写真

ところが、その泉質が素晴らしいんです!

梅ヶ島温泉は、どこの旅館さんでも素晴らしい温泉に入ることができるのですが、こちら【いちかわ】さんのお湯はph値が約9.5とアルカリ濃度が本当に高く、トロトロです。

その証拠に、きれいに清掃されている床がツルッツルに滑ります。浴槽の中も立っていられません!まるでスケートリンクに立っているかのよう!

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の浴槽の写真

これは誇大表現でなく、取材班が今年訪れた温泉の中でも圧倒的な泉質だと感じました。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の温泉の写真
白いものは全て「湯の花」

【いちかわ】の女将さんが「うちは梅ヶ島イチの泉質ですよ!」と自信を持ってオススメするその秘密は、実は「源泉の割当量」にありました。

梅ヶ島温泉は源泉から湧出する源泉を、12軒の温泉旅館へ均等に割り振って使用しています。

しかしその中でも、【いちかわ】はもともとあった建物と、閉業した隣の旅館の建物を使っているため、その割り振りが2軒分あるそうです。

こうして2軒分の源泉を使うことができるので、濃くて新鮮な温泉をふんだんに使うことができていることから、「梅ヶ島温泉イチの泉質」が実現できているのですね。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の浴槽の写真

脱衣所

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の脱衣所の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の洗面台の写真

脱衣所には、宿泊に必要な一通りのものが揃っています。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の「御入浴の際のご注意」と、「お知らせ」の張り紙の写真

源泉温度が低いので、加温して使用しています。

館内施設

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】のロビーの写真
ロビー
梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の鹿のはく製の写真
ロビーでは看板猫だけでなく、看板鹿(?)も迎えてくれる。

【いちかわ】の館内は、古き良き温泉旅館を彷彿とさせる、歴史を感じるシックなしつらえとなっています。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の置物の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の置物の写真

廊下の各所に置かれた様々な調度品は、1000年を超える長い年月を静岡と共に歩んだ梅ヶ島温泉の時間の重みを感じさせます。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の浴場へ続く廊下の写真
浴場へ続く廊下

一方、温泉浴場のあるフロアでまず目に入ってくるのは卓球台

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の卓球台の写真

いかにも「温泉に来た!」と思わせる卓球台と温泉の組み合わせ、今となっては数少なくなってしまいましたね・・・。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の卓球台の写真

その他、各種ミニゲームやパターゴルフなど揃っており、合宿で泊まるにも最適なお宿さんです。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】のミニゲームの写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】のパターゴルフの写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の休憩所の写真

浴場フロアを下ると、かつて隣の旅館のロビーだったスペースが休憩所になっています。

客室

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

いちかわの客室でオススメなのは、平成14年に改装されたベッドルームつき和室の「かつら」「いちょう」

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

安倍川の渓流とオクシズの山々を眺める客室で過ごしていると、なんだか文学作品でも生まれそう!?な気分になりますよ。(写真は「かつら」の部屋)

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室の写真

その他のお部屋も、どこかホッとするような純和風の和室となっています。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の客室にある「癒しの丁子染タオル」の写真

そして客室には古来から薬や香水、スパイスとして使われていたフトモモ科の木チョウジ(グローブ)で作られた「癒しの丁子染タオル」がありました。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の床の間にある五月人形の写真
床の間には五月人形が飾られていた

料理

家に帰ったような、そんな安心感のあるいちかわさんですが、料理はとことん地のものを使い丹精込めて作られた手料理をいただくことができます。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の手料理の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の手料理の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の手料理の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の手料理の写真

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の「生の落花生」の写真
生の落花生。これが驚くほど美味しい。

普段ついジャンキーなものを食べてしまいがちな私たちだからこそ、こうした手料理を食べて、心も身体もデトックスしたいですね。

アクセス

そんな【湯の宿いちかわ】へのアクセスは以下の通り

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】へのアクセスの写真
梅ヶ島温泉公式ウェブサイトより

■電車・バスで
新幹線・JR静岡駅から、しずてつジャストライン安倍線「梅ヶ島温泉行」で約70分、「梅ヶ島温泉入口」バス停下車すぐ。

■車で
新東名高速道路 新静岡インターより車で約50分。東名高速道路からは清水インターから静清バイパス経由もしくは静岡インターより約1時間。

降雪などで路面状況の悪い場合は、途中の駐車場で連絡があればお宿から送迎があります。

終わりに

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の看板猫の写真

静岡県内トップレベルの「化粧いらずの湯」を味わえる【湯の宿いちかわ】いかがでしたでしょうか?
仕事で疲れた身体が温泉でほぐれるのはもちろんですが、看板猫に迎えられて、落ち着いた館内で時を過ごしていたら、心もほぐれること請け合いです。

私もメンタルが弱った時には、ぜひ【いちかわ】さんで回復したいな!なんて思います。

旧知の仲間や合宿などにオススメのこちらですが、こちらの宿は平日・休日ともに一人客も受け入れということですので、ビジネスマンの方にもオススメなんです。

以上、静岡滞在のみならず、東西移動の休憩場所にもオススメな梅ヶ島温泉の【湯の宿 いちかわ】さんのご紹介でした。

梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】の夜の露天風呂の写真

詳細情報

施設名 : 湯の宿 いちかわ
住所 : 静岡県静岡市葵区5258-9[地図]
アクセス : 新静岡インターから50分。しずてつバス「梅ヶ島温泉入口」下車すぐ。
公式URL : http://yunoyado.net/
電話番号 : 054-269-2157
定休日 :

詳細を読む

入浴料 : 日帰り入浴なし
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオルの有無 : あり

編集後記

上田部長
今回、いくつか静岡の温泉を巡ったけど、「泉質」がとくに印象に残ったのはここ「いちかわ」やったな。
編集長
とろとろでしたね・・・。お宿の雰囲気もとても情緒というか、旅情がありました
上田部長
取材終わって、食事処で夕食とりながらサッカーの中継見てたわけだけど、これって小規模な宿だからできる過ごし方やんな
編集長
たしかにそうですね。
上田部長
温泉というのは、やっぱり「どういうメンバーで」「何をするのがええか」っていうものがあるもんや。旅館や施設というハードな部分も含めてな。

編集長
そうですね!Yutty!でもそういう部分に注目して、「どんな時に」は「どこの温泉に行けばいいか」という視点で、皆さんに温泉を紹介していきたいです!

編集長
「いちかわ」さま、取材へのご協力、ありがとうございました!

取材時の記念写真


本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。

【動画レポ】静岡随一の“とろっとろ” 梅ヶ島温泉【湯の宿いちかわ】

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大谷優介

大谷優介

Yutty!編集長、歴史トラベルライター。歴史と入浴文化を中心に世界各地を取材。元温泉ホテル設備管理者。水利用施設環境衛生士、温泉健康指導士。えにし書房『台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(藤田賀久, 大谷優介/平賀匡)著、集英社「週刊プレイボーイ」『新世代スーパー銭湯対決!』取材協力など。