この世の地獄は温泉三昧! そんなに楽しんでいいの?

楽しんでいいんです! 地獄と名のつくところは観光名所になっていて、あの世の地獄はこんなところかも? と想像をたくましくして観るのは楽しいもの。悪行なんてとてもできませんよね。地獄の近くには、源泉掛け流しの温泉が待っています!

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地獄ってなに?

地獄草紙の写真
出典:Wikipedia

地獄とは、仏教の経典で、死後の世界の最下層にあたるところ。この世で悪行を犯した者が行くといわれています。地獄は一説によると、叫喚、炎熱、阿鼻など八大地獄があり、罪の重さによって落ちるところが決まるとされています。(写真:地獄草紙)

ということはこの世の地獄って?

別府地獄めぐり 血の池地獄の写真
出典:Tripadvisor

地獄と呼ばれる地は、猛烈な湯煙、ガス噴出などから草木も生えない荒涼とした光景がほとんど。そこから、地獄を連想させたのですね。もとは活発な火山の地熱活動によるもので、豊富な温泉の恵みをもたらしてくれています。写真は別府地獄めぐり「血の池地獄」。

地獄めぐりをしたら【べっぷ鬼石の湯】でまったり

大分 べっぷ鬼石の湯 地獄めぐりの写真
出典:Tripadvisor

地獄と聞いたら別府! と連想してしまうほど、有名な「別府地獄めぐり」。別府ICから車で5分の所に、8ヵ所点在しています。すべて巡るなら「8地獄共通観覧券(大人2100円)」を利用するといいですね。海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄は国指定名勝なので、おさえておきたいです。

鬼石の湯で極楽

大分 べっぷ鬼石の湯 温泉の写真
出典:べっぷ鬼石の湯 公式サイト

鬼石坊主地獄と海地獄に近い温泉館「べっぷ鬼石の湯」。地獄を見るだけじゃなくて、温泉に浸かりたくなったら、ここに入れます。泉質はナトリウム-塩化物泉、源泉掛け流し。大浴場、露天風呂、展望風呂が男女別各1、家族風呂5、無料休憩室と設備は充実しています。

喫茶ルームでプチグルメも

大分 べっぷ鬼石の湯 地獄蒸し焼きプリンの写真
出典:Another Trip

海地獄のお湯で蒸し焼きにした「地獄蒸し焼きプリン」は食べておきたいですね。使われている材料はシンプルなだけに、しっかりした硬さと手作り感があっておいしい! と評判です。1個300円。

温泉宿名 : べっぷ鬼石の湯
住所 : 大分県別府市鉄輪559-1
アクセス : 別府ICから5分 / 鉄輪口停留所下車、徒歩すぐ。
営業時間 : 10:00-22:00(最終受付21:30)
公式URL : http://oniishi.com/
電話番号 : 0977-27-6656
定休日 : 第1火曜日※祝祭日の場合は翌日(GW、お盆、年末年始営業)
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入浴料 : 大人620円
駐車場の有無 : あり
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオル : あり

お猿さんと一緒に入ろう! 地獄谷温泉【後楽館】

長野 後楽館 地獄谷野猿公苑の写真
出典:発哺温泉 ひがしだて

世界で唯一、温泉に入る野生猿として有名になった「地獄谷野猿公苑」。暖かい季節には猿の入浴シーンは見られないので、寒い冬がベストシーズンです。夏は近くの有料駐車場から10分、冬は上林温泉から30分歩きます。

猿と混浴!?

「野猿公苑」から【後楽館】へはすぐ。旅館ですが、日帰り入浴もできます。ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉、無色透明、熱いため加水して掛け流しています。猿と入浴できるのは冬、相手は野生なのでゆっくり入浴は厳しいですが、話のタネにどうぞ。写真は混浴露天風呂、女性は水着着用可。他に女性用露天風呂、内湯があります。

地獄谷の由来は

地獄谷噴泉は間欠泉ではなく、ずっと噴出しています。地獄の底から噴き出す様に聞こえることから、「地獄谷」とついたようです。【後楽館】は「野猿公苑」の正面に位置し、混浴露天風呂に入っている人と、「野猿公苑」に行く観光客が、地獄谷噴泉を間にして見ている状態です。なんとも開放的なロケーションですね!

温泉宿名 : 後楽館
住所 : 長野県下高井郡山ノ内町地獄谷温泉
アクセス : 信州中野ICから30分、地獄谷有料駐車場下車、徒歩10分。冬季は上林温泉から徒歩30分。
営業時間 : 12:00-15:00
公式URL : https://www.mountaintrad.co.jp/~korakukan/
電話番号 : 0269-33-4376
定休日 : 不定休※要確認
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入浴料 : 大人500円
駐車場の有無 : なし(近隣に有料駐車場あり)
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : なし
レンタルタオル : あり

雲仙地獄で地獄を見る!? 【小地獄温泉館】でまったり

長崎 雲仙小地獄温泉館 雲仙地獄の写真
出典:素材三昧

雲仙地獄は高温のガスが噴出し、強い硫黄臭が漂うその様子は、さながら地獄の景色。ゆっくり1周しても20分程度なので、大叫喚、お糸など30ほどの地獄を見て回れます。夜も入れるので、肝試しにいかが?

ミルク色のにごり湯は温泉情緒たっぷり!

長崎 雲仙小地獄温泉館 内湯の写真
出典:九州八十八湯めぐり

雲仙地獄から【小地獄温泉館】まで車で4分。気軽に利用できる日帰り入浴施設です。内湯のみですが打たせ湯があり、硫黄泉で源泉掛け流しの、贅沢な美肌の湯です。源泉は小地獄温泉の裏手にあり、ハート形に自然噴出しているので、「愛」が湧き出るとして観光客に人気です。

雲仙銘菓「湯せんぺい」

長崎 雲仙小地獄温泉館 湯せんぺいの写真
出典:ながさき旅ネット

雲仙で一番人気のお土産が「湯せんぺい」。温泉水、小麦粉、玉子、砂糖を合わせ、鉄型に入れて焼き上げたもの。明治に、旧島原藩主が作らせたと伝えられているそう。軽い歯触りと、ほんのり甘い味は、お茶うけにもってこいです。写真の湯せんぺいは遠江屋本舗のもの。

温泉宿名 : 雲仙小地獄温泉館
住所 : 長崎県雲仙市小浜町雲仙500-1
アクセス : 諫早ICから60分/JR諫早駅から雲仙行きバスで80分、西入口下車、徒歩10分
営業時間 : 9:00-21:00(最終受付20:30)
参考URL : http://www.seiunso.jp/kojigoku.html
電話番号 : 0957-73-2351
定休日 : 無休
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入浴料 : 大人420円
駐車場の有無 : あり
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオル : 販売あり110円〜

那須にも地獄が!  【鹿の湯】で温泉満喫

栃木 鹿の湯 殺生石の写真
出典:Wikipedia

那須湯本温泉には「殺生石」という怖い伝説の石があります。石の周辺は硫化水素ガスなどが絶えず噴出し、「鳥獣が近づけばその命を奪う」として知られ、今も、殺生石付近は立ち入り禁止です。硫黄臭が漂う荒涼とした光景は、地獄に近い!?

レトロできれい! 【鹿の湯】で湯治

栃木 鹿の湯の写真
出典:鹿の湯 公式サイト

殺生石から道路を渡るとすぐ、趣のある【鹿の湯】に入れます。単純酸性硫黄泉で成分が強く、石けん、シャンプーの利用は不可です。入浴前にひしゃくで頭にお湯をかければ、のぼせ防止になります。

入り方は独特「短熱浴」で

栃木 鹿の湯 浴場の写真
出典:鹿の湯 公式サイト

レトロな浴場は6つの浴槽があり、男湯は41~48度、女湯は41~46度とそれぞれ湯温が異なります。効果的な入浴は「短熱浴」で、腰まで1分、胸まで1分、首まで1分を繰り返すこと。時間を計るために、砂時計の無料貸し出しもあります。白い濁り湯と硫黄臭で温泉満喫です!

温泉宿名 : 鹿の湯
住所 : 栃木県那須郡那須町湯本181
アクセス : 那須ICから15分/JR黒磯駅から那須湯本方面行きバスで35分、那須湯本下車、徒歩3分
営業時間 : 8:00-18:00(最終受付17:30)
公式URL : http://www.shikanoyu.jp/
電話番号 : 0287-76-3098
定休日 : 年中無休
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入浴料 : 大人平日400円
駐車場の有無 : あり
シャンプーの有無 : なし
ドライヤーの有無 : なし
レンタルタオル : 販売あり400円〜

北にも地獄があった! 登別地獄谷【石水亭】

北海道 登別 石水亭 登別地獄谷の写真
出典:Tripadvisor

登別地獄谷は、日和山の火口跡にあり、噴気孔や泡を立てて煮えたぎる荒涼とした風景が広がっています。ここから1日1万トンの温泉が湧出し、周囲のホテルなどに分湯しています。駐車料金500円、駐車場からわずか徒歩1分で、地獄を眺められます。

とにかく広い内風呂

登別地獄谷から徒歩10分ほどのところに【石水亭】があります。巨大なホテルですが、日帰り入浴ができるなど使い勝手がいいです。広い大浴場で、内湯というより半露天の感じで景色を楽しむことができます。硫黄泉で高温のため加水、掛け流し、温泉を満喫できます。

0泊2食で客室付き! 温泉と地獄谷を楽しむ

北海道 登別 石水亭 料理の写真
出典:登別 石水亭 公式サイト

チェックイン12:00、アウト21:00の9時間滞在で4000円~7000円台のプランで、日帰りでも旅行気分を味わえるのは嬉しい。昼は海鮮丼、夜はバイキングや懐石膳など料理も楽しみです。食事や温泉の合間に、夕方の地獄谷の散策も昼間と違った趣で楽しめます(というか怖い!?)。

温泉宿名 : 登別 石水亭
住所 : 北海道登別市登別温泉町203-1
アクセス : 登別東ICから約10分
営業時間 : 11:00-19:00(最終受付18:00)
公式URL : http://www.sekisuitei.com/
電話番号 : 0143-84-2255
定休日 : なし
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入浴料 : 大人800円
駐車場の有無 : あり
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオル : あり

おわりに

いかがでしたか? この世の地獄は「温泉極楽」でもありました。人知の及ばない大自然のダイナミックさに敬意を払いつつ、地獄観光に温泉、グルメを楽しみたいですね。


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大谷優介

大谷優介

Yutty!編集長、歴史トラベルライター。歴史と入浴文化を中心に世界各地を取材。元温泉ホテル設備管理者。水利用施設環境衛生士、温泉健康指導士。えにし書房『台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(藤田賀久, 大谷優介/平賀匡)著、集英社「週刊プレイボーイ」『新世代スーパー銭湯対決!』取材協力など。