目次
番外編
塩川温泉(本部町)
番外編としてご紹介するのは、本部町の塩川温泉。
実はここは温泉施設ではありません!
沖縄県で一番短い天然記念物の川「塩川」(スガー)。この川、不思議なことにどこからから塩水が湧いてきて世にもめずらいしい「塩の川」(そのままやん)になっているんです。
そしてその塩川、「温泉通」のあいだでは自然に湧き出た天然温泉・・・とされているらしく、お魚と一緒に入浴する猛者もいるんだとか。
沖縄の温泉を大解剖!
年間を通して気温が高い常夏で、夏には海のレジャーにたくさんの観光客が訪れます。ここからは、そんな沖縄の温泉文化や歴史をご紹介です!
沖縄にも温泉がある!
沖縄は、南西諸島にある大小117からなる縦に長い島々で、気候的には亜熱帯と熱帯に属しています。県庁所在地の那覇市があり一番大きな島である「沖縄本島」がある沖縄諸島、宮古島がある宮古諸島、石垣島や西表島など独自の生態系で有名な八重山諸島、そして無人島の多い尖閣諸島や大東諸島からなっています。
寒い北国に比べて、あんまり「温泉」のイメージがない沖縄ですが、じつは「沖縄らしい魅力的な温泉」がいくつもあるんです。
2016年2月現在、沖縄にはあわせて17の温泉浴場があり、その多くは沖縄本島、ついで宮古島にあります。そして、そんな沖縄の温泉は、本土とは違った独自の文化・歴史を持っているんです!
じつはお風呂文化のない沖縄
日本人といえば、何につけてもお風呂というイメージがあります。実際、海外に旅行に行ってシャワーばかり浴びていると、むしょーにお風呂に入りたくなりますよね。
ところが、沖縄には今も入浴する習慣がほとんど無いのです。
まあ、少し沖縄の事をご存知の方には周知の事かもしれませんが、ホントに沖縄ではお風呂で湯船に浸かるという習慣がありません。
(沖縄移住生活より)
今でも沖縄の家にはアパートやマンションなど集合住宅も含めて浴槽がなく、シャワーしかないことも多いとか。沖縄に入浴の文化が無い理由は定かでは無いそうですが、「高温多湿なので、水浴びが主流だった」や「水が貴重だった」などの理由が挙げられています。
・高温多湿の沖縄では、もともと暑い湯に入る習慣はなく、水浴びが普通だった。
・暑い沖縄で、暑い風呂に入ったら余計に汗をかく。日ごろから汗をかいているので風呂に入ってまで汗をかきたくない。サウナも必要ない。
・水不足の沖縄では、水は貴重な飲み物であり、その水をためて風呂に入るのは、もったいない。
(沖縄移住生活はじめましたより)
お風呂に入浴する文化のなかった沖縄、当然「温泉」に入る文化もありませんでした。
沖縄に風呂を持ち込んだのはお坊さん?
そんな沖縄ですが、お風呂が全くなかったわけでもありません。6世紀ごろ、朝鮮半島から日本へ仏教が伝来してきましたが、13世紀には沖縄にも仏教が伝来し、寺院が建立された記録が残っています(沖縄と仏教伝来)。仏教には、身を清める行為として「沐浴」という儀式があるため、沖縄の寺院にもこの「沐浴」のための浴場があり、僧侶たちの社交場となっていたそうです。
沖縄の仏教文化は、薩摩藩への従属後に衰退しましたが、今でも多くの寺院が残っています。
つまり、入浴文化のなかった沖縄に初めてお風呂を持ち込んだのは、お坊さんだったのです。
琉球でも中世の日本から禅僧たちがさかんに渡航していたので、禅宗とともに入浴の文化が持ちこまれたのです。
(目からウロコの琉球・沖縄史より)
仏教の伝来とともに沖縄に持ち込まれた入浴文化ですが、一般の人々が集まる場である「浴場」が沖縄にできたのは、15世紀以降、琉球王国の時代になってから。
現在の〔那覇市西〕に当たる地域に、かつて「湯屋の前」という地名がありました。この「湯屋」(ゆーやー)という地名は、琉球王国時代に「上方」(=現在の九州や本州など)から渡来した日本人が、琉球に住む日本人商人や居留民のために作った浴場の名残だそうです。
その後、沖縄でこういった共同浴場は「ゆーふるやー」(銭湯)として、現地の人々の間に広まっていくことになります。
那覇西村の「湯屋」と呼ばれる場所です(今の真教寺付近)。戦前まで「湯屋の前(ゆーやーぬめー)」という地名が残っていました。この湯屋は、何と日本から渡来してきた上方(畿内方面)の人がつくったもの。
(目からウロコの琉球・沖縄史より)
大和の国の人が、貿易にやって来て浴室(よくしつ)を造り、誰もが自由に入れるようにしたのが銭湯の始めであり、その地は今でも湯屋と呼ばれて地名になっています。
沖縄の入浴文化を知れる唯一の「銭湯」
琉球王国時代に日本人によって持ち込まれた「ゆーふるやー」(銭湯)文化ですが、じつは今沖縄に残っている銭湯はたった一軒。
戦後、ピーク時には沖縄県内には銭湯が300以上あったそうですが、利用者の減少や燃料の高騰によって次々と閉業してしまいました。
街中から銭湯が減っているのは他の日本の多くの地域と同じですが、もともと入浴文化のなかった沖縄では、各家庭にシャワーや風呂場が普及するとともに、急速になくなってしまいました。
その最後の「ゆーふるやー」は沖縄本島の沖縄市にある「中乃湯」さん。そこには本土の銭湯とは異なる文化が残っています。
①脱衣所と浴場が・・・
まず、一番特徴的なのはその構造。沖縄の銭湯には脱衣所と浴場の区切りがありません!
②湯船は一つ。浴場の真ん中にある。
沖縄の伝統的な銭湯には、湯船が一つしかありません。それも、浴場の真ん中にあるので、その姿から浴槽を「池」と呼んでいます。この文化は湯船が一般家庭に普及するようになった今も、根強く残っているんだそうです。
③カランが高いところにある
カランというより、「ザ・蛇口」。沖縄のカランは高い所に設置された蛇口の水・お湯をなんらかの方法で混ぜるものなのです。
「沖縄の銭湯は、浴槽の洗い場の蛇口が妙に高い所にある」という話は伺っていたのですが、
実際に見ると感動です。
「( ̄0 ̄)/ オー 確かに高い!」
(sakuブログ(仮称)より)
沖縄温泉の特徴
そんな事情もあって、沖縄に残っている温泉は、ほとんどが旅行客やビジネス客向けの施設となっています。とはいえ、それらの温泉も沖縄の地下から掘り出した立派な天然温泉です。
沖縄の温泉でも多いのがナトリウム-塩化物泉の温泉。これは海水が地層に染み込んだ温泉を利用しているから。そのため塩味のする温泉が多いのも沖縄温泉の特徴。
お湯の色は黄色か無色透明。沖縄本島では、
【さしき猿人の湯】さん
【浦添の湯】さん
のほか、また宮古島の【ジギラ黄金温泉】さんや【宮古島温泉】さんなどで「黄色い温泉」を楽しむことができます。
おわりに
そんなわけで、沖縄温泉の歴史と沖縄にある全温泉一覧、いかがでしたでしょうか?
高級リゾート温泉からリーズナブルな日帰り施設まで。あなただけの沖縄を体験してみませんか?
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※2020/2/21 琉球温泉 瀬長島ホテル 龍神の湯 の利用料金およびシャトルバス情報を修正しました。
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
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