【おける湯学日記】札幌市内で秘湯気分!?外国人人気急上昇中の本格温泉に行ってみた

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筆者:東大温泉サークルOKR(おける)

東大を中心に温泉好きの学生が集まって活動している「温泉と真剣に向き合うサークル」。
Yutty! の他にも複数の温泉メディアに寄稿しているほか、温泉地と連携した企画も手がける。
現在進行中の企画としては、宮城県東鳴子温泉で行っている「鳴子ワカモノ湯治」など。
温泉総選挙2018 の実行委員にも就任し、温泉の魅力を発信する活動を幅広く行っている。

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こんにちは、東大温泉サークルOKR代表の橋本です!
札幌の奥座敷・定山渓温泉のさらに奥秘湯情緒たっぷりの豊平峡温泉」に行ってきました。
源泉がドバドバとかけ流される本格温泉に加え、意外な名物など魅力もたくさん。
僕にとっては久しぶりの訪問となる今回の旅、外国人に大人気になっている理由も探ります。

1.北海道で一番行きたかった豊平峡温泉

久しぶりの真冬の北海道でした。都内の大学に通う僕にとって、真冬の北海道は実に8年ぶりです。小学生の時の3年間、両親の仕事の都合で僕は北海道に住んでいました。その間に両親に連れられ道内各地の温泉をまわり、温泉の多様さと気持ちよさをなんとなく感じた僕は温泉好きになって今に至ります。北海道は温泉好きな僕の原点なのです

数ある温泉の中でも一番行きたかった温泉が豊平峡温泉です。10年ほど前に訪れた当時は泉質のことは何も知りませんでしたが、広々とした露天風呂と素晴らしいお湯に感動した記憶はあります。また行きたいという気持ちは日に日に強まり、今回無事に再訪ができました。

2.オトクな乗車券と入浴券のセットで楽々アクセス

札幌駅前のバスターミナルで、バスの乗車券を買おうとカウンターへ。既に大勢の外国人観光客が集まっていて大行列ができています。

看板が出ていたじょうてつバスの「温泉日帰りパック券」を購入。札幌駅からの往復のバス乗車券と、選べる日帰り入浴1回券がついて1,800円(小人900円)という価格設定には衝撃を受けました。あまりにも安すぎます───

豊平峡温泉の入浴料金は1,000円(小人500円)、バスの往復運賃は1,680円(同840円)です。880円も得をする非常にオトクな切符です。

この「日帰り温泉パック」は、豊平峡温泉の手前の「小金湯温泉」と「定山渓温泉」でも使えて、日帰り入浴の対象施設は13もあります。たいへんありがたい切符です。

温泉日帰りパックを買うと、パンフレットも手に入れることができます

バスは定山渓温泉までなら1時間に1本以上あって、かなり交通アクセスは良いです(豊平峡温泉まで行くバスは半分くらいです)。路線バスだけでなく、座席指定制の「かっぱライナー」も運行されていて、事前に予約すれば座って往復できます(当日でも空きがあれば座ることができます)。

かっぱライナーのシートには、定山渓温泉のキャラクター「かっぽん」が

3.豊平峡温泉の意外な名物とは?

定山渓温泉で多くの人が降りてしまいましたが、豊平峡温泉まで乗り続ける人もまだまだいます。

雪は深まっていき、外国人観光客の雪景色に感動する声もちらほらと聞こえてきます。バスを降りると、雪を背景に記念撮影する外国人観光客だらけでした。その中に混ざって僕は受付へ。粉雪が舞っていて市内よりも寒く感じます。

雪見風呂を求めて多くの観光客が集まっています

受付で入浴券を渡し、ついでにカレーも注文します。何を隠そう、ここの名物はインド人が作る本格インドカレーなのです。タンドール釜で1枚1枚焼かれるナンは軽くてふんわりしていてます。

料理人自らが食券番号を読み上げるシステムは10年前と同じでしたが、料理人の日本語が上手くなっていて、英語のアナウンスも加わっていました。

注文した「ナスとトマトのカレー」(850円)はで真っ赤な見た目をしていますが、辛くありません。まろやかで、ジューシーな素揚げのナスとよく合っています。コクがあって美味しいカレーです。

「ナスとトマトのカレー」は。真っ赤なのに辛くなくて、マイルドでコクのあります

雪景色がよく見える窓側の席に座っていたら、隣に外国人の二人組が来ました。早速雪景色で記念撮影をしています。せっかくなので、自分も雪景色の写真を撮ることにしました。雪を見ながらインドカレーを食べるのは、なんとも不思議な気持ちです。

食堂の窓から見える雪景色

4.芸術品のような析出物は名湯の証

腹ごしらえも済んで、早速温泉へ。長い廊下を抜けた先の脱衣所に足早に向かい、ゆっくりと着替えている人たちを尻目にサッと服を脱いでしまいます。

美しい松の模様を描く析出物は濃い温泉の証です(豊平峡温泉公式サイトより)

内風呂はカルシウム分の析出した松の木のような文様(析出物)がゴツゴツとしていて、その窪みの一つ一つに、湯船から勢いよくあふれ出した温泉水がまだ温かいままたまっています。何しろ湧出量は毎分630Lもあって、この施設がその豊富なお湯を全て使っているのです。

歩くと痛いほど盛り上がった析出物の上を慎重に歩き、湯船へ。熱めとぬるめの二種類の温度があって、僕はぬるめを選びます。木でできた浴槽も表面がぬるっとしていて、温泉の力強さを実感します

体が温まったのですぐに露天に出る。ここの名物は大きな露天風呂なのです。

5.露天風呂での出会い

外は驚くほど寒かったのですが、すぐに露天風呂があるおかげでほとんど外気にふれることなく温泉に浸かることができます。ぬるめのお湯で満たされている湯船の外には、雪で覆われた岩や木が並び、建物は全く見えません。山の中にポツンと立っているだけあって、秘湯情緒が満載です。

名物の水車のある「無意根の湯」と、ぬるめの「ふくろうの湯」・熱めの「遊湯の露天」のセットが男女日替わりで入れ替わります。僕が訪れたとき(偶数日)は、男湯がふくろうの湯と遊湯の露天のセットでした。

露天風呂は広くて、多くの人が来ていても、混んでいるという感じは全くしません。心からくつろぐことができます。

 

じっくりと入っていると、隣で外国人三人組が温泉の話をしていたので、会話に参加することにしました。三人はそれぞれ、アメリカ、カナダ、フランスの出身で、日本語と中国語も話せるのだそう。僕が温泉サークルの代表だと言うとオススメの温泉を聞かれたのですが、「日本には3,000を超える温泉があるから、温泉はオススメしきれない」と言うと、みんな驚いた顔をしていました。

ふくろうの湯はぬるめでじっくり浸かっていられます。(豊平峡温泉公式サイトより)

話しかけてみた一番の理由は、外国人観光客にとってどんなところが魅力なのか、どこで豊平峡温泉を知ったのかが気になったからです。三人は札幌市内に1週間ほど滞在して、さっぽろ雪まつりなども見たと言います。野湯や砂蒸し風呂などの話にも興味を持っていて、かなりの日本通のようです。

自然と一体になった感覚がして素晴らしい」と一人が言い、みんなが同意しています。やはり雪見風呂の魅力は万国共通なのでしょう。雪の降る地域出身の彼らにとっても、雪見風呂は素晴らしい経験になったようです。

6.豊平峡温泉の魅力とは

この温泉はナトリウム‐塩化物炭酸水素塩泉で、重曹と塩が入っていると考えても差し支えないでしょう。塩のおかげでポカポカと温まって、汗がじわじわと出てきます

10分も浸かっていれば汗だくになってしまうのですが、そうしたら半身浴に切り替えて上半身を雪の降る外気に晒せば、火照った体が冷えてきます。そしてまた、全身浸かる。これを繰り返していても、2時間も入っていれば完全に汗だくになります。

温泉談義は遊湯の露天に場所を移して、2時間ほど続きました(豊平峡温泉公式サイトより)

温泉談義は大いに盛り上がり、風呂を出る時にはすっかり体が温まっていて肌もスベスベになっていました。炭酸水素ナトリウムには肌をスベスベにしてくれる作用があり、自分の肌ながらずっと触っていられるほどスベスベになってしまいました

鉄分を含むお湯はほんのり褐色に染まっていて、手からはかすかに鉄の匂いがします。最後に飲泉もしてみたところ、鉄の味とミネラル分のコクがあって美味しかったです。

 

温泉では見知らぬ人との会話が生まれ、自然と仲良くなれます。いわゆる「裸の付き合い」が生まれる場の魅力があります。のんびりと長風呂をしながら会話をする時間は楽しいもの。久しぶりの豊平峡温泉で、あらためてそんな温泉の魅力を実感することができました。

 

詳細情報

やわらぎの里 豊平峡温泉 :
住所 : 札幌市南区定山渓608-2[地図]
アクセス : 札幌駅バスターミナルからじょうてつバスで80分 ほか
営業時間 : 10:00~22:30(最終受付 21:45)
公式URL : http://www.hoheikyo.co.jp/
電話番号 : 011-598-2410
定休日 : なし

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入浴料 : 大人1,000円 小人500円
シャンプーの有無 : 有
ドライヤーの有無 : 有
レンタルタオルの有無 : 有
  (フェイスタオルは220円で販売、バスタオルは520円でレンタル;返却後300円返金)

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OKRは温泉好きが集まった「温泉と真剣に向き合う」学生サークルです。 日本人の9割以上は1年で5回以下しか温泉に行かないというデータがあります。「これでは日本の温泉資源がもったいない!」そう思った私たちは、大好きな温泉の魅力を多くの人に伝え、温泉がもっと身近な存在になるよう活動しています。