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目次
オクシズ特集第2弾!
前回の【湯の宿いちかわ】に引きつづき、今回も静岡市の北側にある秘湯「コンヤ温泉」のご紹介です。
前回のふりかえり
東西にものすごく長い中部、静岡県。とくに東部は伊豆半島を持ち、熱海や伊東を中心に数多くの「名湯」が存在します。西部にも先日ご紹介した舘山寺温泉など、ユニークな温泉地で有名です。
いっぽう、静岡県の県庁所在地のある静岡市は、葵タワーや新静岡セノバがあり、名実ともに静岡県のビジネス・ショッピングの中心地です。
ところがこの静岡市、街を出てちょっと北へ行くとそこはもう山の中、あっという間に秘境にたどり着きます。
じつは静岡市が東西にとても長く、市の境界線が大井川で知られる井川町や、山梨県と接しているのです。
これら「オクシズ」と呼ばれる地域には、前回ご紹介した「梅ヶ島温泉」のほか、油山温泉、口坂本温泉など風情ある温泉が揃っています。そして今回ご紹介する「コンヤ」温泉はその一つ。静岡市街から見て、梅ヶ島温泉の少し手前にある温泉です。
コンヤ温泉
コンヤ温泉は、静岡市から車で1時間ほど北に走った山の中、新静岡ICからは一本道で45分の場所にあります。
そもそも「コンヤ」とはどういう意味なのでしょう?
コンヤ温泉という名前は、「コンヤ沢」というかつて源泉が湧き出ていた川から名付けられました。このコンヤ沢は今でも多くの釣り人に愛される渓流釣りのスポットです。
「関東周辺の沢」ではコンヤ沢となっているが、河川名の表示は、コンヤ川になっている。ちなみに漢字では金谷川と書くようだ。
http://kemotop.web.fc2.com/Report/2006/20060716/20060716.htm
「梅ヶ島温泉」と同様、武田の時代から傷の手当や療養に使われていたそうで、これが昭和に入り小規模な温泉街となりました。
この「コンヤ温泉」では2016年現在、2件の宿が営業しており、今回はそのうちの一つ、【大野木荘】さんにお邪魔しました。
一見普通の民宿だけど・・・・
さて今回のお宿、大野木荘さんはリーズナブルに旅を楽しめる民宿となっており、二階建ての建物に7部屋の客室という、とても素朴な造りになっています。
私たちが到着した際は地元の高齢者の方々の宴会が開催されいて、とても地元の皆さんに愛されているお宿なんだな、ということが伝わってきました。
最強の!?露天風呂
(語弊を恐れずに言うと)一見、普通の民宿のように思える【大野木荘】さんなのですが・・・
露天風呂が「最強」に素晴らしかったのです!
”最強露天風呂”の秘密はオーナーの愛
【大野木荘】さんの温泉は内湯と露天が一つずつ、露天風呂へは脱衣所から向かいます。
一歩外に出てみると
「オォ・・・・」
驚嘆ともため息とも言えない声が口から漏れだします。
コンヤの木々に囲まれた大きな浴槽は開放的。周囲は様々な鉢植えや植栽で彩られています。見上げるとオクシズの山々が。
大手の温浴施設にも匹敵する造りの露天風呂がそこにありました。
絶妙な岩風呂
そして大野木荘の露天風呂の魅力は、湯につかってさらに高まります。
お湯の深さ、岩の角度が完璧なのです。
「露天風呂の雰囲気はよかったけど、岩が痛くて座りづらくてリラックスできなかったな・・・」なんてことは多々あります。
ところが、こちらの岩風呂、まるですべてが計算され尽くしているような、絶妙な角度、配置で岩が置かれているのです。
季節の花々と山
そしてその絶妙に配置された岩風呂を移動してみて、さらに驚きました。座る場所によって、見える「景色」が異なるのです。
こっちに座ると季節の花が、こっちに座ると山々が・・・と、まるでこの湯船がひとつの世界を形成しているかのような、不思議な時間でした。
なんとこの花々や植生は、春夏秋冬それぞれの時期にその季節のものが咲くように作られていて、「来るたびに違った景色が見られる」ようになっているのです。
上田部長も大興奮
マックスむらいの温泉動画でおなじみ「あの方」も、この露天風呂に大興奮。
そしてこのことを女将の志村美和さんにお伝えしたところ、、、
「そんなこと言ってくださるの、年に1人いるかどうかですよ・・・でも、そう言っていただけると、先代(1代目)も喜ぶと思います」
「じつはあの露天風呂、大工をしていた先代が、手作りで毎日毎日チューニングをしながら作り上げた自慢の露天風呂なんです!」
なんということでしょう!あの素晴らしい庭園露天風呂は、先代オーナーの匠の技だったのです。
外見の華やかさだけを考えるのではなく、自らが湯に入り、どんな座り心地で、どんな景色があれば利用客に喜んでもらえるかを考えて考え続ける、という「入浴者目線」を追求した姿勢に感動しました。
創業40年の【大野木荘】。上田部長も絶賛した露天風呂の秘密は、先代の熱意と愛情にあったのですね。
内湯もトロトロ温泉
流し場のある内湯も、大きな窓ガラスがある開放的な造り。お湯も適温で、トロトロとしています。
なんとこのお湯、ph値10.3の強アルカリ泉と10超え!泉質まで絶品とは・・・・
こちらの温泉、予約すれば貸切も可能なので、ファミリーやカップルにもオススメです。
女湯も素晴らしい
女湯は男湯と少し造りが異なりますが、こちらはこちらで素晴らしいものになっています。
女湯の内湯からは露天風呂が望めます
マイナスイオンが粉雪のように舞っていそうな森林浴露天風呂。
囲炉裏でワイワイ過ごす
大野木荘のもう一つのおすすめポイントが「囲炉裏」。
別館の廊下を抜けていくと見えるのが、木のぬくもりに包まれた食事処。
囲炉裏で食べる牡丹鍋、駿河軍鶏鍋、ヤマメの塩焼きといった地元食材は絶品。
ファミリーにはバーベキューコースもいかがでしょうか?
そしてさらにその奥にあるのが囲炉裏。
かつて猟師さんや農家さんの使っていた道具を眺めながら囲炉裏に座って食事をすれば、季節の味覚への感謝の気持ちも湧いてきますね。
部屋からはオクシズの山々が
大野木荘は2015年に大規模リニューアルしたばかりで、玄関を入ると畳敷きの床が続いていきます。
とくにリニューアル客室の十枚山の間、東峰の間、岩紗参の間、石楠花の間はグループで利用にもおすすめの広めなお部屋となっています。
リニューアルされた館内
部屋からは絶景が
2階の部屋からはオクシズの山々を眺める絶景も味わえます。1泊と言わず、長期滞在で癒されたいですね。
剥製にドキリ
大野木荘の内部には秘境ならではのちょっとドキリとする置物も・・・
たぬきの剥製がコスプレをしていました。
ここ、本当に静岡市内なのでしょうか・・・・?
日帰りも可能
なんとこの素晴らしい露天風呂、日帰りでも楽しむことができます。
立ち寄り湯は500円と超リーズナブル(要予約)。近くで渓流釣りやハイキングを楽しんだ後はもちろん、新静岡ICからも近いのでドライブや出張の立ち寄りにも最適です。
その他4,000円からの個室ランチコースなどもありますので、ぜひ問い合わせてみてください。
合宿にもオススメ
さらに大野木荘はその立地と広さを生かして、学生さんなどの合宿も受け入れています。
大野木荘の裏手には5面のテニスコートやグラウンドゴルフ場を備えており、さらに市営のキャンプ場もありますので、大人数でワイワイ合宿するのに最適です。音楽サークルなど音の出るグループの合宿も受け入れているそうですよ。
まとめ
コンヤ温泉で40年の歴史を持つ民宿【大野木荘】。いかがでしたでしょうか。山々に包まれたコンヤ温泉は、その木々が色づく11月以降の紅葉シーズンがおすすめ。近くには名勝「赤水の滝」もあり、こちらと併せて訪れていただきたいです。
アクセス
静岡市街から車で約60分。新東名・新静岡インターチェンジから45分のコンヤ温泉【大野木荘】は、路線バスでもアクセスが可能。しずてつジャストラインバス「安倍線」で約90分、大野木バス停まで下車すぐです。
時刻表はしずてつジャストラインバス公式でご参照ください。
詳細情報
施設名 : コンヤ温泉大野木荘
住所 : 静岡市葵区梅ヶ島4269-10[地図]
アクセス : ・新静岡インターチェンジから45分、しずてつジャストラインバス「安倍線」で約90分、大野木バス停下車。
営業時間 : 要問合せ
公式URL : http://o-nogi.jp/
電話番号 : 054-269-2224
定休日 :
入浴料 : 500円(要予約)
シャンプーの有無 : 有
ドライヤーの有無 : 有
レンタルタオルの有無 : 有(要問合せ)
コンヤ温泉の観光情報
赤水の滝
大野木荘から少し北に行くとあるのが「赤水の滝」。
宝永4年(1707年)に発生した大地震。このときに流出した土石流と大洪水によってつくられた大滝で、褐色の濁流がいく日も流れ続けたことから、「赤水の滝」と呼ぶようになったとか。
大谷崩(おおやくずれ)
コンヤ温泉から梅ヶ島温泉方面に走り、金山温泉の交差点を左折し、山道を登っていくとあるのが「大谷崩」。
同じく宝永4年(1707年)に発生した大地震と大洪水によって、大谷山の山腹が周囲4kmに渡って崩壊。土石流で流れ出た土砂は1億立方メートルにも及び、「日本三大崩れ」の一つ大谷崩が出来上がりました。
大谷崩への道は未舗装の林道もあり、周辺に商店や家屋もありませんので、運転には十分ご注意くださいね。
編集後記
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
大谷優介
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