(現在Yutty!では、新型コロナウイルスの影響を受け、昨年以前に取材した施設を再構成して掲載しています)
世界でもっとも有名な温泉地
Yutty!をご覧の方でしたら、「バーデン=バーデン」という温泉地をご存じかと思います。
そう、ドイツ南部にある、あの「世界で一番有名な温泉地」です。
今回Yutty!編集部はなんと、「バーデン=バーデン」にある温泉浴場【フリードリヒス・テルメ】【カラカラ・テルメ】での公式取材に成功!その全貌をご紹介します。
動画はこちら↓↓↓
※本記事の写真は注釈のあるものを除き、すべてYutty!編集部が許可のもと撮影したものです。媒体を問わず、あらゆる無断引用を禁じます。
1. フリードリヒス浴場
“After 10 minutes you forget time, after 20 minutes the world”
“Here at the Friedrichsbad you lose track of time within 10 minutes and track of the world within 20….”
「フリードリヒス浴場では、10分後に時間を忘れ、20分後には世界を忘れる」
『トム・ソーヤの冒険』で有名な世界的作家マーク・トウェイン(Mark Twain)が残したこの一節で知られる【フリードリヒス浴場 (Friedrichsbad)】(フリードリヒ浴場)は、バーデン=バーデンを代表する温泉浴場です。
1887年、「鉄血宰相」ビスマルクによりドイツ帝国がヨーロッパの覇権を握っていた時代に建造されたフリードリヒス浴場は、ドイツ帝国の威厳を内外に誇示するかのようなルネサンス様式の威容と、ローマ帝国を彷彿とさせる荘厳な浴場を誇ります。
貴族や政治家など富裕層の社交場、保養施設として使用されたフリードリヒス浴場ですが、現在ではだれでも利用することができます。
混浴もできる全裸の温泉
ドイツは日本と同じく全裸で入浴する慣習が残る数少ない国であり、このフリードリヒス浴場も全裸で入浴することがルールとなっています。
そしてドイツの多くの浴場と同じく、男女は混浴となっており、カップルや夫婦で入浴のひと時を過ごすことができます。
混浴に抵抗がある人でも楽しむことができるように、男女別浴の日も設定されています。
- 混浴の日⋯⋯火水金土日曜日、祝日、2/14
- 別浴の日⋯⋯月・木曜日
2月14日の「バレンタインデー」が混浴の日というのも、センスがありますよね~。
なお後述のように別浴の日でも混浴ができる場所がありますので、もし別浴の日に訪問してしまっても大丈夫ですよ。
厳格なルールと17の浴室
指定された更衣室で全裸になると、スタッフからタオルとルールを言い渡されます。
一、17の浴室すべてを決められた時間と順番で回ること。
一、サウナは必ずタオルを敷いて入ること。
一、浴場内で会話はせず、自らと向き合うこと。
とにかくルールが好きなドイツ人、日本の銭湯にもたくさんのルールがあるように、ドイツの浴場にも守らなくてはいけないルールがあるのです。
特に気を付けなくてはいけないのがサウナ。ドイツのサウナでは絶対タオルを敷いて入らなくてはならず、もし忘れて入ろうものならスタッフや入浴客に強く注意されます。
そしてこのフリードリヒス浴場では、17ある浴室や休憩室を、決められた手順で回らなくてはなりません。
それぞれには身体への健康上合理的な理由があり、規定の順番で回ることで身体が最大限休まり、回復するというのです。
これを「ローマン・アイリッシュ様式」といい、ローマ式とアイリッシュ式の入浴法を組み合わせた、「冷温交互浴」にマッサージを組み合わせたドイツの伝統的な入浴方式なのです。
それでは実際に入浴してみましょう
1.シャワー3分
まずはシャワーを浴びます。石鹸もあるので全身くまなく。
2. 48℃のサウナ(5分)
3. 58℃のサウナ(5分)
シャワーも浴びて「ヨッシャー!風呂だー!」なんて言おうものなら出鼻をくじかれます。
まずは低温サウナで精神を統一。2,3のサウナは連続していて、少しづつ体温を上げていきます。
4. シャワー
5. マッサージとアカスリ(30分)
6. シャワー
身体も温まって、「よし!今度こそ風呂!」というあなた、ちょっと待ってください。
シャワーを浴びて、マッサージを受けましょう。短パンのおじさん(女湯は女性)がローマ風呂式にアカスリと全身洗浄、そしてマッサージをしてくれます。
大理石のベッドが痛いのを除いて、とても気持ちいいひと時です。
(マッサージはオプション料金となります)
7. 45℃のスチームサウナ(10分)
8. 48℃のスチームサウナ(5分)
アカスリも受けてスッキリ、さて湯船・・・はまだおあずけ。
隣り合った源泉スチームサウナで15分、さらに身体を温めます。
蒸気で鮮明な写真をお見せできないのが残念なのですが、写真のアーチ部分には熱々の源泉を噴水のように流しスチームを発生させています。温泉を使ったスチームだからか、よく温まります。
9.36℃の入浴(10分)
やっとお待ちかねの湯船です!
「空腹は最大の調味料」なんて言いますが、ずっとおあずけをくらっていた湯船、感慨もひとしおです。
36℃ということで、日本人からしたらかなりぬるめですが、フリードリヒス浴場では一番高温の浴槽です。結論から言うと結局ここに一番長居をしてしまいました。
男女別々の日は、ここまでが別浴になります。
10.34℃の入浴(15分)
続いて、一番奥のジャグジーに入ります。湯温はさらにぬるめに。すでにクールダウンに入っていることに驚きます。
壁画には鶴や花の絵が描かれているのですが、なんだか銭湯画のようで不思議な気分です。
そして10の湯船から見える11の湯船⋯⋯これが見事なんです。
それはまるでローマ帝国に転生したような瞬間。
あまりに見事すぎる景色に、一糸まとわぬ生まれたままの姿で言葉を失います。
そうか、これがマーク・トウェインに《世界を忘れる》と言わしめたのか⋯⋯。
『神があなたを創造したときの姿で、気持ちの良い温泉に身を任せましょう。17ステップで構成されている特別な温浴コースは、一生に一度の稀有な温泉体験を与えてくれます。次々に変わる温度、貴重な温泉を多様な形で味わう温浴を続ける内に心が休まります。最後の仕上げは、石鹸水のブラシマッサージ。その昔、蒸気バス、熱気バス、そしてブラシマッサージなどを通してバスタオルの中で夢心地だったアメリカの文豪マーク・トウェインは、後に友人に書き記しています。「ここ、バーデン・バーデンのフリートリッヒ浴場では、10分すると時間を忘れ、20分後には世界を忘れるよ。」 』
11.28℃の入浴(5分)
「バーデン=バーデンといえばこの湯船」とされるくらい、バーデン=バーデン、そしてフリードリヒス浴場の「代名詞」であるのが、この11の浴槽です。
本当にみごとなローマ風ドーム天井です。博物館の中にいるようですが、こちらは全裸。
素っ裸で天井に見とれます。
そしてここで衝撃の事実が。
これ、ほとんど水風呂なんです。
つまり、プールなわけですが、こちらは全裸。裸で泳ぐことにはなれていないので、逆に場を持て余してしまいました。
今回の入浴では、取材陣のほかにはドイツ人女性の親子が入浴されていました。
ドイツ人にとって全裸での混浴は何らおかしいことでも、卑猥なことでもないので、みなさん堂々と入浴されていました。
12.シャワー(3分)
最初のシャワーに戻り、再度身体を洗います。
13.18℃の水風呂(一瞬)
最後に水風呂でクールダウン。
よく知られた健康法ですが、最後に身体を冷やすことで、身体が自ら温まろうと代謝をアップさせます。それにより冷え性や疲労回復、ストレス軽減、湯冷めの防止など様々な健康効果が期待できます。
14.タオルで水を拭う(4分)
脱衣所に出て身体を拭くわけですが、風呂上りまで時間が指定されています。
15.保湿クリームを塗る
脱衣所のスタッフが、身体にいい香りのクリームを塗ってくれます。
16.レストルームで休憩(30分)
シーツにくるまり暗めの部屋で30分の休憩。あっという間に夢の中へ。
17.リーディングルームで休憩(30分)
最後に、お茶を読みながら広い図書室で休憩して、すべての行程が終了!
いかがでしょうか?日本の「入浴」とはちょっと違う慣習に驚きましたか?
ドイツの温泉施設が全てこのような厳格な順序を持っているわけではありません。
例えば隣接する「カラカラ・テルメ」などは、日本のスーパー銭湯などと同じように家族で楽しむことができます。
なぜ「フリードリヒス浴場」がこのような「療養的な」浴場なのか、少しだけバーデン=バーデンの歴史を紐解いてみましょう。
バーデン=バーデンの歴史
バーデン=バーデンは、紀元前2世紀頃にはローマ人によって「テルマエ(ローマ風呂)」が作られていたと言われています。今でもフリードリヒス浴場の地下ではローマ時代の浴場遺跡を見学することが可能です。
その後ローマ帝国の崩壊とゲルマン民族の侵攻によりすべて破壊されてしまったバーデン=バーデンですが、6世紀頃にゲルマン人による「フランク王朝」により温泉地として注目されて以降、ヨーロッパ貴族の保養地として利用されました。
1800年代になりプロイセン王国の皇族が療養のためバーデン=バーデンに滞在するようになり、開発が急速に進みます。そして1887年に貴族やVIP専用の療養・治療施設として「フリードリヒス浴場」は造られます。
その後、ドイツ各地の温泉地は療養地からリゾートに変わり、いわゆる「癒し」のためのスパが作られるようになります。しかし、フリードリヒス浴場では当時の文化を保存するという意味も含めて、あえて建造当初から続く「療養」としての入浴フォームを残しているのだそうです。
泉質は硫酸塩・塩化物泉
フリードリヒス浴場の源泉は、56°C – 68.8°Cのナトリウムーカルシウム硫酸塩・塩化物泉。地下1200-1800mから湧き出ており、なんとその湧出量は一日に800.000リットルにも上ります。
フリードリヒス浴場はカップルにオススメ
ここまでご紹介してきた王宮のような空間と混浴が特徴のフリードリヒス浴場は、大人のカップルやご夫婦におすすめです。女性におすすめのエステやリラクゼーションも揃っていますので、彼女さんや奥様へのプレゼントなどにいかがでしょうか?
また貸切風呂もありますので、混浴に抵抗があるかたはこちらを利用するのも良いでしょう。
<Photo album>
(↑クリックすると写真が拡大されます)
施設情報
- 施設名: Friedrichsbad(フリードリヒス浴場)
- 住所: Roemerplatz 1, 76530 Baden Baden
- 営業時間: 9:00~22:00(最終入場は20:00)
- 休業日: 12/24、12/25
- 料金:入浴のみ27€、マッサージ付39€~。
- 設備:石鹸あり。タオル、サンダルのレンタルあり。
- 公式HP: http://www.carasana.de/en/friedrichsbad/home/
- その他: 2/14を除く月・木曜日のみ男女別浴。
残念ながらフリードリヒス浴場は14歳以下の子供は入館することができませんが、ファミリーやグループにもおすすめの浴場があります。次に紹介する【カラカラ浴場】です。
2. カラカラ浴場
フリードリヒス浴場に隣接するスパ施設が【カラカラ浴場】(Caracalla-Therme)です。
1987年に建造されたカラカラ浴場は宇宙センターのようなモダンなデザインで、ローマ皇帝「カラカラ」から名付けられました。
カラカラ帝は西暦200年頃のローマ皇帝で、彼の作った巨大な温泉施設「カラカラ浴場(Terme di Caracalla)」跡地はローマの観光名所として知られています。
この「カラカラ浴場」は日本各地のスーパー銭湯のモデル施設となった温泉で、豊島園の
【バーデ 庭の湯】はその名の通りカラカラ浴場にそっくりです。箱根にある【
小涌園ユネッサン】のようなスパ施設なので、日本人にも入りやすいかと思います。
ロビーと脱衣所
「フリードリヒス浴場」と打って変わって、カラカラ浴場はモダンな温泉施設です。入口を入るとショップや美容施設があり、フロントと浴場への入口は二階になっています。
入館料を払うと、ICチップ式のロッカーキーが渡されます。館内でマッサージやバーを利用する際もこのロッカーキーで支払いが可能です。
脱衣所は男女共用になっています。まずはゲートの向かいにある個室で着替えて、その後各自のロッカーに荷物を預ける形になっています。
プールエリア
↑広大な温泉プールのあるプールエリアは水着を着用した混浴で、ファミリーやグループで楽しみながら入浴することができます。
↑洞窟風呂、アロマスチームバス、蒸気吸入ルームなど18℃~38℃のさまざまな浴槽があり、まる一日いても飽きないほどバリエーションに富んでいます。
↑また屋外は巨大な大理石の温泉プールを中心に、湯上りをゆっくり休むことができる芝生エリアが広がっています。
今回取材をしてみて、プールエリアは日本人にはちょっとぬるいかも、と思いました。そんなときには二階のサウナがおすすめです。
サウナエリア
二階のサウナは全裸、混浴のエリアになっています。47℃~95℃の9個の温度の違うサウナのほか、工夫をこらしたレストルーム、ちょっとした休憩にドリンクが飲めるサウナバーまで揃っています。
↑サウナエリアの目玉施設はこちらのフィンランド風サウナ。中には自動ロウリュ機が!
↑個人的にはサウナエリアにある半露天風呂が38℃くらいでぴったりでした。
サウナエリアでは、バスローブを着てそのままバーを利用することも可能。ちなみにプールが水着、サウナが全裸というのは一般的なドイツ温泉の入浴形式です。
ウェルネスエリア
こちらはウェルネスエリア。アジアンテイストのリラックススペースや、マッサージルーム、貸切風呂付のエステルームなど、日本のスパと同じくリラクゼーション施設も充実しています。
<Photo album>
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レストラン・ショップ
ショップには水着も売っていますので、手ぶらで訪問してもOKです。
ファミリーや友達同士にぴったり
カップル向けのフリードリヒス浴場に対し、こちらは子どもも7歳から入浴可能なので家族連れでも楽しむことができますし、グループでわいわいするのもいいですね。ドイツ旅行の思い出の一つとして温泉に入るのはいかがですか?
施設情報
- 施設名: The Caracalla Spa(カラカラ浴場)
- 住所: Roemerplatz 1, 76530 Baden Baden
- 営業時間: 8:00~22:00(最終入場は8:30)
- 休業日: 12/24、12/25
- 料金:入浴のみ15€~、サウナ付19€~。
- 設備:石鹸あり。タオル、サンダルのレンタルあり。
- 公式HP: http://www.carasana.de/en/caracallaspa/
- その他: 要水着、販売あり。
3. お礼とインタビュー
今回、「フリードリヒス浴場」「カラカラ浴場」を取材するにあたっては、事前の調整から当日のご案内に渡り、運営会社であるCARASANA Bäderbetriebe GmbHの営業責任者Hermann Wittichさんに大変お世話になりました。
また取材時には、大変お忙しい中にも関わらずCEOのJurgen Kannewischerさん直々にお出迎えをいただきました。
お忙しい中にも関わらず、お二人にはインタビューなどもさせていただきました。本当にありがとうございました!
さて、今回皆様にご紹介したバーデン=バーデンを代表する二大浴場【フリードリヒス浴場】と【カラカラ浴場】。
両施設あわせて年間50万人が利用するドイツ国内でも最大級の温泉施設ですが、カラカラ浴場は常にリニューアルを重ねており、今後もっと大きく進化していくそうです。
現在のところ利用者はドイツ人を中心にフランス人、イタリア人などが多いそうですが、お二人とも日本人の温泉好きは当然ご承知とのことで、「もちろん日本の方もウェルカムですよ!」とおっしゃってくださいました。
目まぐるしく変化する時代。これからもっと世界旅行は枠にはまらない自由なものになっていくでしょう、ぜひドイツを旅行する機会があれば、ドイツの歴史と文化を裸で学べるバーデン=バーデンの温泉を訪れてみてくださいね。
4. バーデン=バーデンの街と観光スポット
バーデン=バーデンはそれほど大きな町ではありませんので、徒歩で回ることができます。とっても可愛らしい家々が並び、自然も豊富です。治安も良く、町を流れる清流のようにゆったりとした時間が流れます。ローマ時代から多くの人が癒しをもとめてこの町を訪れる理由がわかるような気がします。
観光名所も多くありませんが、ぜひ訪れておきたいスポットを二つご紹介します。
<Photo album>
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トリンク・ハレ(飲泉所)
【Trinkhalle】(トリンク・ハレ=飲泉所)は、1842年に造られたギリシャ建築コリント様式の巨大建造物で、ヨーロッパの伝統的な療養法である飲泉を行う施設です。
その繊細なフレスコ画と優美な彫刻からは、これがただの健康増進施設だとはちょっと想像できないですよね。
内部は自由に温泉を飲める蛇口があるほか、観光案内所も併設していますので、バーデン=バーデンに到着したらまずこちらを訪れるのもいいでしょう。
<Photo album>
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クアハウス(カジノ)
【クアハウス】はバーデン=バーデンの中心部に鎮座する白亜のコリント式建築物です。湯治客のリゾート施設として1824年に造られました。「世界で最も美しいカジノ」と称される「ドイツ最古のカジノ」のほか、コンサートホール、レストラン、コンベンションセンターを併設しており、たびたび国際会議の場となっています。かつては貴族のための交流施設でしたが、現在は一般人も自由に利用することができます。
「世界で最も美しいカジノ」を利用するにはドレスコードがありますが、一目見たい!という方には見学ツアーもおすすめです。
5. バーデン=バーデンのグルメ
いい温泉地には美味い飯がある。とは良く言ったもので、ここバーデン=バーデンではウマいドイツ料理と超超ウマいドイツビールをいただけます。
今回我々取材陣が訪問したのはこの地に300年の歴史を持つ【Restaurant Löwenbräu Baden-Baden】(レーベンブロイレストラン バーデン=バーデン店)。その名の通り、あの有名なドイツビール「レーベンブロイ」直営のレストランなのです!
1723年に簡易宿として開業したのち、増築を重ねてバーデン=バーデン屈指のホテル/レストランとなり、1906年ミュンヘン発祥のレーベンブロイ社が直営ビアホールとして買収して現在に至ります。
こちらのレストラン、料理にもかなり力を入れており、どれを食べても美味しくてびっくり。とくにバイエルン料理の「Schweinsbraten」(シュヴァイネブラーテン、写真左)はローストした豚肉がほろほろで、濃厚なソースに食が進みます。もちろん直売のレーベンブロイは最高!
温泉、そして湯上りのビール!最高の組み合わせはドイツでも変わらずでした!
<Photo album>
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6. バーデン=バーデンのアクセス
鉄道
バーデン=バーデンへのアクセスは鉄道がおすすめです。ドイツ各地から出ている特急IC,ICEでバーデン=バーデン駅下車。バーデン=バーデン駅からはタクシーまたは路線バスで約10分。路線バス運賃は2.6€、終点の「レオポルド広場」下車。
飛行機
日本からの直行便はありませんが、空路も便利です。ヨーロッパ各地からバーデン=バーデン市街の西にあるカールスルーエ・バーデン=バーデン空港までの便がライアンエアーなどLCCにより運航されています。空港からバーデン=バーデン市街まではバスもしくはタクシーで15分。
バーデン=バーデンは駅も空港も近くにあり、公共交通機関でアクセスできるところが旅行者にも嬉しいポイントです。ぜひご自身に合ったプランで使い分けてみてください。
編集後記
さて、このバーデン=バーデン、じつは編集部は何度か訪れているのですが、ついにフリードリヒス浴場を撮影をすることができました。
フリードリヒス浴場は、入口でマッパにされるので、絶対にカメラを持ち込めない浴場です。ドイツ、イタリアを中心にヨーロッパでの温泉取材を積み重ねてきて、念願かなって貸切での取材許可をいただいたときは感涙ものでした。
そうやね!本当によく取材してくれたな。大谷君の大手柄や!
「ああ!今この瞬間、あの、フリードリヒス浴場のドーム風呂が、私のためだけに存在している!!」───何物にも代えがたい贅沢な時間でした。
俺が初めてフリードリヒス浴場に行ったときは、そのドーム風呂に❝北欧のヴィーナス❞が降臨してくれたけどな(笑)
部長が初めてバーデン=バーデンに行かれたのは2013年だったそうですが、そのときの印象はどうでしたか。
ステーション1のシャワーから、美しすぎるドーム天井のステーション11、そして湯上りクリームマッサージからの、ミイラのように毛布にくるまれるステーション16。それらすべてをまとめて「あまりにクラシカルで、あまりにシステマチックな温泉入浴施設」やな。
そういえば、温泉のスタッフは浴室番号を「ステーション」と呼んでいましたね。
そんなんやからな、ふと海外TVドラマの『LOST』のダーマ・イニシアチブのステーションスワンとか、海底ステーションとかを思い出したわ。ここだけの話な、俺はいつか孤島に温泉の帝国を作って、ダーマのようにあらゆる謎の実験をしたいと思ってるんや。つまりそれが「究極のシステマチック」ということや。
そんな側面もありつつ、いざ史上最高の混浴「ステーション11」に足を踏み入れた瞬間、究極にクラシカルな空間が現れて、その作りの荘厳さ、天井の高さ、質感に圧倒される。まるでハイパードライブで異世界に飛ばされたような気分やった。
あの浴場は、まさにヨーロッパ石文明の極みという感じで、木材文化の日本では絶対に味わえない世界観ですよね。日本であの感覚を味わおうとしたら、どんな温泉があるでしょうか。
そうやなぁ、クラシカルという意味で唯一対抗できそうなのは、岩手花巻鉛温泉【藤三旅館】の白猿の混浴。空間に圧倒されるという意味では、鹿児島の【霧島ホテル】くらいやな。
確かに!藤三旅館は、「歴史建築」「吹き抜け天井」「混浴」といくつかの共通点がありますね。それから霧島ホテルの開放感は、日本屈指、いや世界屈指ですね。
コロナ騒動が収まったら、またバーデン=バーデンに行きたいね。
そうですね!今度はぜひドローンとかで撮影できたりしたら面白いだろうな~
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
【動画&写真】独占取材に成功!ドイツ「バーデン=バーデン」(フリードリヒ・テルメ温泉、カラカラ・テルメ温泉)
The following two tabs change content below.
Yutty!編集長、歴史トラベルライター。歴史と入浴文化を中心に世界各地を取材。元温泉ホテル設備管理者。水利用施設環境衛生士、温泉健康指導士。えにし書房『台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(藤田賀久, 大谷優介/平賀匡)著、集英社「週刊プレイボーイ」『新世代スーパー銭湯対決!』取材協力など。