新宿から一時間、本厚木でちょっぴり贅沢な温泉旅をしませんか?
今回、Yutty!取材班は、あつぎ飯山温泉の【元湯旅館】の日帰りランチプランに潜入してきましたので、ご紹介します。
狸のお出迎え
本厚木から北に車で20分ほど行った山間のエリアには、飯山温泉・七沢温泉・広沢寺温泉・かぶと湯温泉の4温泉があります。今回ご紹介する飯山温泉【元湯旅館】はその中でも一番高級な旅館の一つです。
山間といえど住宅も点在するエリアへ入っていくと、大きな狸が迎えてくれます。
立派な構えの門をくぐり、まるで山寺の参道のような石畳の道を進むと、旅館が見えてきます。
【元湯旅館】の一番の特徴はその複雑に入り組んだ建物でしょう。フロント・ロビーのある本館を中心に、いくつもの離れが並び、まるで迷路のよう。
廊下にはいくつもの池や橋、庭石が配置され、館内を歩いているはずが、日本庭園を巡っている気分になります。
さて、お待ちかねの温泉です!
二種類の大浴場
たぬき風呂・庭園露天風呂
元湯旅館には二種類の浴場があります。
本館から向かって右側の廊下の突き当りにある浴場は「たぬき風呂」。広い大浴場にはいると、何匹もの「たぬき」がお先に入浴中。
浴槽は熱めの湯とぬるめの湯、寝湯があります。編集部おすすめはこちらの寝湯で、温度は熱すぎずぬるすぎずの適温、浴槽の角度や深さも絶妙な造りで、何分でも入っていられそう!
外には庭園露天風呂があり、岩づくりの浴槽と、樽の水風呂が二つ。こちらの浴槽も深さが絶妙で、編集部的にもポイント高め!
湯あそび・渓流露天風呂
向かって左側の廊下を突き当たると渓流露天風呂。内湯はたぬき風呂とかなり違う造りでややコンパクトなつくりになっています。
露天風呂は広く、編集部が潜入した時期はちょうど「紫陽花」が満開で、風情抜群の紫陽花風呂!
そばを流れる渓流の音が心地よく、本厚木駅から車でちょっとの場所に、こんな味わい深い温泉があるのかと驚きました。
こちら二つの浴場は、昼と夜に男女交替があるので、宿泊もしくは日帰り利用でどちらも利用できますよ。
日本一の強アルカリ泉
そして特筆すべきは、なんとこちらの温泉、pH11.3という全国トップレベルの強アルカリ泉。
アルカリ泉はまるで「石鹸」のように皮膚の角質をやわらかくし、肌を滑らかにする作用があることから、こちら飯山温泉も「美人の湯」「美肌の湯」とされています。
アルカリ泉は肌への刺激も強いので、一般的には短めの入浴が推奨されています。しかしいざ湯につかってみるととても柔らかいお湯で、その温度も相まってかかなり長湯をしてしまいました。
ファミリーにも嬉しいサービス
浴場にはお子様向けのお風呂グッズや、おしめのあるベビーベッドなどがあり、ファミリー層にも嬉しいサービスが整っています。お湯がぬるめなので、お子様の温泉デビューにも良いかもしれません。
渓流露天風呂付客室も
渓流を望む露天風呂がついた客室もあり、すばらしい四季の景色を独占することも可能です。
なんと立ち寄り湯不可!?
日本有数の泉質を持つ飯山温泉【元湯旅館】ですが、じつは日帰り入浴をするには少しだけハードルが高いのです。
なぜなら、元湯旅館には「立ち寄り湯」がありません!
元湯旅館の日帰り入浴はランチプランのみ
こちらの温泉に入浴するには、宿泊するか客室付き日帰りランチプランを利用する必要があります。
今回編集部は「【夏限定】旬の鮎料理4品付会席コース」を利用。入浴を挟んで、旬のアユを使った会席料理をいただきました。
気の合う仲間と、あえて一人でも
【元湯旅館】のランチプランは一人7,500円~と決してリーズナブルな価格ではありません。
でも「立ち寄り湯」がないことこそが、【元湯旅館】の一番の価値なのではないかと編集部は思います。
「立ち寄り湯」の無い【元湯旅館】は、気の合う仲間とゆっくり過ごすのに最適です。風呂上りに酒を交わしながら、ゆっくり昔の思い出を語らうもよし、これからの未来に思いを馳せるもよし、そういう深い語らいの場所にいかがでしょうか。
また一人での訪問もおすすめです。日々忙しいビジネスマンやフリーランスの皆さんが、手軽にアクセスできる飯山温泉で、都会の喧騒から離れたマインドフルネスの場所を得られるのが【元湯旅館】の魅力です。
【元湯旅館】が提供するのは、「気軽に行ける、日常を忘れられる空間」。
仕事終わりに町の銭湯も良いですが、たまにはほんの少しだけ足を延ばして、都会の喧騒から離れて心身をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
取材後記
上田部長
ここは面白い宿やったね。玄関から母屋まで距離があって、外界から隔絶されてる感じが、さくっと気分を日常から切り離せるわな。
大谷
池や橋で館内が複雑怪奇な迷路のようになっていて、台湾「関子嶺温泉」の【関子嶺大旅社】(旧龍田屋)を思い出しました。他にもいろいろ見どころはあったんですが、一番気に入ったのが大浴場の「寝湯」でした。
上田部長
おっ!大谷君も気づいたか!深すぎず浅すぎず、しっかり入れつつも水圧のプレッシャーを感じない、寝湯の温度とポジショニングが関東髄一やったな!寝湯で長風呂をしたいなら、ここは人生で一度は入ったほうがいい。
大谷
長風呂と言えば、優しい湯ざわりと、ゆるめの温度も印象的でした。
上田部長
神奈川エリアの温泉というと、「熱海」も「箱根」も「熱湯」で競ってる印象すらある。でもここの温泉はぬるめで「つるん」としている。ゆったり長湯ができることが一番の魅力やな。
大谷
今回は部屋付きのプランでした。新宿エリアから小田急線で一本ですし、ビジネス利用にも向いているのではないでしょうか?
上田部長
うーん、それは条件次第やな~~。最近はどこの温泉旅館も電源の延長ケーブルを貸してくれるんやけど、ここは準備されて無かったね。それとWi-Fiもほとんど繋がらなかった。だからPC持ち込んでのミーティングよりも、ベンチャーやプロジェクトなんかの小さいチームの「ブレスト」にいい。
大谷
なるほど!確かに、ここはアクセスの良さに比べて、都市から離れて森の中にいるような気分になるお宿でした。その雰囲気が少人数メンバーの統一感や創造性のアップにつながる気がしますね!
アクセス
電車・バス
新宿駅から小田急線で約1時間。本厚木駅より神奈中バス宮ケ瀬方面で約20分、「飯山温泉入口」下車徒歩3分。二名以上なら本厚木駅より無料送迎あり(要予約)。
自家用車
東名厚木インターチェンジから20分。
詳細情報
施設名 : あつぎ飯山温泉 元湯旅館
住所 : 神奈川県厚木市飯山4916 [地図]
アクセス : 本厚木駅よりバスで20分
公式URL : http://www.motoyu.co.jp/
電話番号 : 046-242-0008
日帰り入浴 : あり(昼食付プランのみ)
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオルの有無 : あり
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
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大谷優介
Yutty!編集長、歴史トラベルライター。歴史と入浴文化を中心に世界各地を取材。元温泉ホテル設備管理者。水利用施設環境衛生士、温泉健康指導士。えにし書房『台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(藤田賀久, 大谷優介/平賀匡)著、集英社「週刊プレイボーイ」『新世代スーパー銭湯対決!』取材協力など。
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