静岡の山奥に、ハイセンスなプライベート宿
「オクシズ特集」第4弾は、個人旅行に最適な、外観からはとても想像できない(!?)、超センスのいい温泉宿のご紹介です。
▼紹介動画はこちら▼
梅ヶ島温泉とは
徳川家康公の城下町として古くから栄え、現在は葵タワーや新静岡セノバ、マークイズ東静岡などビジネス・ショッピングの中心地である静岡県静岡市。
ところがこの静岡市、街を出てちょっと北へ行くと、あっという間に秘境にたどり着きます。
南北に長い静岡市は、大井川鐵道で知られる井川町や、山梨県と接しているほどで、県庁所在地なのに大自然を持つという不思議な地域になっています。
これら静岡市の秘境地域は「オクシズ(奥静岡)」と呼ばれ、数多くの素晴らしい温泉が点在しています。
そしてそのオクシズのさらに最も奥地、山梨県との県境にあるのが「梅ヶ島温泉」です。
奥地と言っても、新東名高速道路からは50分、市街地からも1.5時間とものすごく近く、路線バスも充実しているので、アクセスはとても簡単です。
梅ヶ島温泉が開湯したのはなんと1700年前。山に住む仙人が発見し、その後武田信玄の隠し湯として愛用されたと伝えられています。
「たまご臭」のする単純硫黄泉はトロトロで、「化粧いらずの湯」とされています。
現在では温泉郷に10件ほどの温泉宿が並び、その手前の金山温泉と併せて、秋には紅葉、冬には粉雪の舞う静かな温泉地として親しまれています。
おもいでの宿 湯の島館
外観は普通の宿・・・?
さて、湯の島館の外観はこちらです。
・・・・・え、意外と普通ですって?
まあまあ、そういう気持ちは抑えて、ぜひ中を覗いてみてください。
湯の島館に一歩踏み入れるとすぐに、その上品な中にモダンさを感じるセンスの良さに気付きます。
季節の飾り物も飾られています。
フロントの横には、これまたセンスのあるお土産ショップを兼ねたカフェスタンドが。
迎えてくださったのは三代目店主の秋山庸司さん。奥様とお二人で経営されています。
多くのメディアで高い評価を獲得!
◉まっぷる 温泉やど 東海・北陸 ベスト宿ランキング 第1位
◉じゃらん 泊まってよかった宿大賞2016 貸切湯めぐり充実大賞受賞
◉じゃらん「特別号」クチコミ90点以上の宿 満点の部掲載
なんとこちらの【おもいでの宿 湯の島館】、その雰囲気の素晴らしさから、多くの温泉ランキングで上位にランクイン!多くのメディアで高い評価を得ています。
それでは、さっそくその全貌を覗いてみましょう!
あるのは四つの個室温泉のみ
湯の島館に大浴場はありません!武田信玄の隠し湯とされる梅ヶ島温泉にちなんだ「風・林・火・山」と名付けれらた4つの個室風呂があるのみ。
ph値9を超えるとろとろ単純硫黄泉が、四つの個性的な個室風呂にとうとうと注ぎ込まれます。
其の疾きこと【風】の如く
一つの樽風呂と二つの桶風呂が特徴的な「風の湯」(ふうのゆ)は、3〜4人のグループや女子会で入っても余裕のある広い個室風呂。
板張りの脱衣場所は開放的で、休憩スペースも兼ねています。
カランも二つあり、注目は畳敷きの風呂イス。細部までオーナーのこだわりが見られます。
桶風呂に入るとものすごい量の「湯の花」が!「オクシズは濃い温泉」の名に違(たが)いません。
この広さの温泉を貸切にできるなんて、とても贅沢ですね!
其の徐かなること【林】の如く
心が落ち着くとされる「緑」で統一された「林の湯」(りんのゆ)。
こちらは湯船は1つですが、広い休憩スペースが付いています。
「林の湯」から上がってこだわりの畳の上にゴロンとすれば日頃の疲れも吹き飛ぶというもの。
このように浴槽に入っていながら、休憩スペースを見ていられるので、何よりお子様連れにオススメ。
侵掠すること【火】の如く
燃える火のような「赤」に統一された「火の湯」(かのゆ)。
休憩スペースには心まで暖まる立派な「囲炉裏」が。
長年連れ添ったご夫婦なら、囲炉裏を囲んで昔話に花が咲くでしょう。もし若いカップルで利用すれば、二人の愛の火も燃え上がります。
秋の梅ヶ島温泉は「紅葉」が見もの。湯船から望む赤く染まった山々を見ながら「火の湯」に浸かれば、奥静岡の秋を独占です。
動かざること【山】の如く
最後は「岩風呂」と呼ばれる穴湯「山の湯」(さんのゆ)。
風林火山の中で唯一こちらだけ趣が違います。じつは「山の湯」はここ湯の島館の創業時に作られたもの。
休憩スペースはありませんが、実際の岩で作られた穴湯の中はまるで異世界。子供達も大喜びです。
この穴湯、梅ヶ島温泉の奥にある「源泉穴風呂」(参考:Youtube)に雰囲気がよく似ていますがそれもそのはず、同じ方によって造られたのだそうです。
創業から60年余、梅ヶ島温泉の歴史とともに歩んだ湯の島館の穴湯は、時代や宿の姿が変わった今も宿泊客を見守り続けていました。
カップル、子連れに最適!
ラブラブ入浴はもちろん、こちらのお風呂、若いファミリー層にも大人気。
小さなお子さんを部屋で寝かせたまま。パパ、ママが一時の休息を取ることが可能。全面ガラス張りになっているので、お風呂に入りながらもお子さんを見守ることが可能です。もちろんぐずっても大丈夫。個室なので周囲を気にする必要がありません。
悲しいことに、子育て世代に厳しい風潮のあるこの国です。でも、そんな時代だからこそ、温泉に入っている時くらい、パパママにはリラックスして欲しいのです。
目指すは4種制覇
せっかく4種類の個性的なお風呂があるのですから、できれば全て制覇したいところですよね。
これら個室風呂の使い方は混雑時とそれ以外で異なります。基本的に温泉は空室であれば自由に入れますが(一時間)、混雑時は一部予約制となっております。詳しくは湯の島館公式サイトをご参照ください。
「男を上げる」客室
続いて、湯の島館の客室のご紹介です。
湯の島館の客室はなんと6室!これだけで特別感が出ますが、客室数の少なさに加え、部屋の配置や導線が考慮されていて、原則他の宿泊客と出会わないようになっています。
個室温泉が素晴らしい湯の島館、やはり客室も圧倒的センス。
入口から既に漂うセンスの良さに取材班も興奮ぎみになりました。
こちらは2016年春にリニューアルオープンしたばかりの「和ーなごみー」。
安倍川を望む広い部屋は内装を全て和モダンで統一。
テーブルなどの調度品は細部までこだわり抜かれたオーダーメイド品。
広縁にあるテーブルと椅子はバータイプのカップルシートになっており、二人の距離をぐっと引き寄せます。
ベッドルームは。ふかふかのクイーンサイズベッドが並びますが・・・1台でじゅうぶんかも!?
「お風呂の前にシャワーを浴びたい」という若い女性のニーズに応えて、おしゃれなシャワールームを設置。トイレにも手は抜きません。
続いては「葵」の部屋。
部屋に入ると、さらに廊下のような空間が。あえて客室内から入口を見えないようにした憎い演出が、心理的な安心感を生み出します。
本来はただの2間の和室ですが、わざとベッドルームの周囲を障子で囲むことで、客室の中でさらに絶妙なプライベート空間を演出しているのですね。
その他、6室すべてが趣の異なるつくりになっているので、宿泊するたびに「今回はどの部屋になるんだろう」という気持ちになりますね。
なお夕食・朝食はテーブル席のある専用の個室で提供されます。
素朴な外観の宿に入ってみれば、緻密にデザインされた特別な空間が待っている・・・
こんな旅を彼女にプレゼントすれば、「あれ、今日のカレ、ちょっとかっこいいかも・・・」となること間違いなしですよ!
オーナーの木へのこだわり
現在、湯の島館を仕切るのは三代目社長の秋山庸司さん。
ここまで圧倒的なセンスの温泉や客室をご紹介してきましたが、そのしつらえや方向性を考えたのは秋山オーナー自身。
秋山さんかつて木材関係のお仕事をされていたことが、この湯の島館の完成度に繋がります。
実は秋山さんがオーナーになるまでは「どこにでもあるような」温泉旅館だった湯の島館。
そんな旅館を変えようと動き始めて苦節8年、様々な障害を乗り越えてここまでの旅館に発展させました。
その結果は数々の名誉ある評価を見れば一目瞭然ですよね。
湯の島館は、随所で古い趣の中に、若いセンスがマッチングしています。
例えば湯上りの休憩スペースにある、実際にコインを入れると動く年代物のマッサージ機の横には、『東京カレンダー』や『OZマガジン』などオシャレ女子に人気の雑誌が並びます。
こうした、伝統を守りつつも新しい風を吹き込んで行くオーナーならではの細かな気配りが、若い世代から人気を集めていることも、まちがいないでしょう。
湯の島館を変えようと、愛する「ミニ」で東西を奔走した秋山さんは今後をこう語ります。
「『和ーなごみー』の部屋の完成で、8年に及ぶ大規模なリニューアルは完了しました。でも『いつ来てもどこか新しくなっていて、いつでも新鮮な気持ちになれる』旅館を今後も目指し続けます」
オススメは1-3月
もともと6室しか客室がない湯の島館ですが、中でも冬の1〜3月の時期はより一層ゆっくりと過ごす事ができ、4つの温泉の「湯巡り」をするのに最適です。
また、日本で最も降雪量が少ない静岡でも珍しく雪が降る梅ヶ島で、貴重な雪景色を楽しめますよ。
詳細情報
施設名 : おもいでの宿 湯の島館
住所 : 静岡県静岡市葵区梅ヶ島5258-7 [地図]
アクセス : 静岡駅より安倍線で約1.5時間
公式URL : http://yunoshimakan.com/
電話番号 : 054-269-2032
定休日 :
日帰り入浴 : なし
シャンプーの有無 : あり
ドライヤーの有無 : あり
レンタルタオルの有無 : あり
アクセス
自家用車
新東名高速道路、新静岡インターチェンジから約60分
バス
しずてつジャストライン安倍線に乗り90分、梅ヶ島温泉入口で下車。
観光情報
赤水の滝
コンヤ温泉から少し北に行くとあるのが「赤水の滝」。
宝永4年(1707年)に発生した大地震。このときに流出した土石流と大洪水によってつくられた大滝です。褐色の濁流がいく日も流れ続けたことから、「赤水の滝」と呼ぶようになったそうです。
大谷崩(おおやくずれ)
梅ヶ島温泉の南、キャンプ場のある「金山温泉」の交差点を左折し、未舗装の林道・山道を登っていくとあるのが「大谷崩」。宝永4年(1707年)に発生した大地震と大洪水によって出来上がった「日本三大崩れ」の一つです。
編集後記
しつらえ、デザイン、泉質、どれをとっても完璧やったわ。
私もパートナーができて結婚したら、毎年奥さんサービスに連れて行こうかな・・・
まあこうして取材をさせていただくのも、すべてがご縁やし、大切にな!
本記事の情報は記事掲載時のものであり、現在とは異なっている場合がありますので、予めご了承ください。
大谷優介
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