【前編】けものフレンズ×ケロリン桶のコラボ秘話を独占インタビュー!

2017年冬のアニメシーンを席巻し、現在も快進撃を続けるTVアニメ『けものフレンズ』、略して「けもフレ」。今回そのコラボ企画の秘話をYutty!が独占インタビューしました!

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社長は現役○○○だった!? 素顔に迫る【後編】はこちら

 

2017年冬のアニメシーンを席巻した、TVアニメ『けものフレンズ』(略して「けもフレ」)。

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けものフレンズ公式ウェブサイト ©けものフレンズプロジェクトA

4月14日のテレビ朝日系『ミュージックステーション』に主題歌を歌う「どうぶつビスケッツ×PPP」が出演するなど、最終話放送後も快進撃を続けています。

以前Yutty!では速報として、「ケロリン桶」で有名な内外薬品『けものフレンズ』とコラボレーションすることをお伝えしました。(→すごーい!けものフレンズとケロリン桶がコラボレーションだって!

そして今回! なんと! Yutty!取材班は内外薬品東京支社に独占インタビューを敢行、けものフレンズ×ケロリン桶のコラボ秘話を聞いてきました!

いざ内外薬品さんへ

ここは東京神田のとあるビル。

東京神田のとあるビルの外観写真

こちらの5階に内外薬品さんの東京支社(本社は富山)があると聞いてやってきました。

入り口に置いてある医薬品「ケロリン」や「ダイアフラジン」の箱の写真

入り口には医薬品「ケロリン」「ダイアフラジン」の箱が。

内外薬品株式会社 東京支社 の表札の写真

ドキドキ・・・・
 
編集長
こんにちはー! Yutty!取材班です!
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ようこそジャ・・・内外薬品へ!
内外薬品の代表取締役社長・笹山敬輔さんと、コラボ企画担当の北村学さんの写真
内外薬品の代表取締役社長・笹山敬輔さん(写真右)と、コラボ企画担当の北村学さん(写真左)
ということで、「ケロリン桶」を持って迎えてくださったのは、とても優しそうな内外薬品代表取締役社長・笹山敬輔さんと、貫禄のあるコラボ企画担当の北村学さん
 
編集長
今日はお忙しいところありがとうございます!
笹山社長
いえいえ、よろしくお願いいたします。

けものフレンズの印象

内外薬品の代表取締役社長・笹山敬輔さんと、コラボ企画担当の北村学さんの写真
編集長
まず、お二人の『けものフレンズ』の印象について教えてください。
北村さん
私は全話を3回は見ました。私も生物が好きで今の仕事をしているので、1話でサーバルちゃんの手の動きを見たときに「これはすごい!」と思いました。
作品に込める執念がすごくて、脚本が一貫してまとまっていて乱れることがない、近年稀に見る作品です。作品に漂う「ディストピア的な雰囲気」*も個人的にとても好きなんです。
*終末世界のこと。「ポストアポカリプス」と呼ばれることもある。
編集長
サーバルちゃんが主人公を褒めてくれたり、苦手なことより得意なところに注目してくれたりする内容も人気を集めていますね。
北村さん
まさにそうですよね。なんでも100%肯定してくれるサーバルちゃんの存在は、とても大きいでしょう。「さばくちほー」で「砂しかない」ではなく「砂がある」というところなどに、作品の本気を感じました。
サーバルちゃんがいろんな「ちほー」で初めて見たものを純粋な目で「すごーい!」と楽しむことで、見る人たちも童心に帰るというか、心の中にある少年時代を呼び覚ますのかもしれません。
 
オフィシャルガイドブックとケロリンの箱を持った北村学さんの写真
もちろんオフィシャルガイドブックも購入済みだ
笹山社長
じつは私は、まだ全話見ているわけではありません。しかし弊社がコラボをすると告知してから、同世代の友人たちからたくさんの連絡をもらって「あ、ものすごい人気作品なんだな」と実感しました。私は理系少年だったので、子供のころ動物図鑑や恐竜図鑑をよく読んでいて、『けものフレンズ』にはそういう子供の時のワクワク感がありますよね。
編集長
なるほど! ちなみに言うと、私はジャパリカフェの「アルパカ・スリ」の声を一日一回聞かないと寝付けないレベルのフレンズですね。
笹山社長
・・・・・

ノスタルジックな「けもフレ」がケロリンにぴったりだった

けものフレンズ×ケロリン桶の写真
けものフレンズ×ケロリン桶  ©けものフレンズプロジェクトA(Yutty!編集部撮影)
編集長
コラボレーションのきっかけについて教えてください。
北村さん
私はそのクールに放映されるアニメ作品の1話は全て見るようにしています。その中でも『けものフレンズ』は1話で心が惹かれました。4話が終わったころには「この作品とコラボしたい!」と決意して、その場でKADOKAWAさんに連絡を入れました。
編集長
コラボしたいと思われたのはなぜですか?
北村さん
弊社は『ケロロ軍曹』以来大きなアニメ作品コラボをしていなかったのですが、作品を観て、「『けものフレンズ』の世界観なら弊社のケロリン桶にぴったりだ!」と思ったのです。
編集長
世界観がぴったり、ですか。
北村さん
企画会議の時、KADOKAWAの編集長さんが「この作品のテーマの一つはノスタルジーです」とおっしゃっていました。
まさにそのノスタルジックな世界観が、様々な場面で「ノスタルジー」「昭和」のシンボルとして扱われる弊社のケロリン桶と非常にマッチしたんです。
編集長
北村さんからコラボ企画の連絡を受けた時、笹山社長はどう思われましたか?
笹山社長
当時はまだ作品について詳しくは知りませんでしたが、これまでの信頼関係があるKADOKAWAさんなら大丈夫だろう、と思いました。

「風呂桶だからこそ温泉キャラで」

編集長
コラボの経緯について教えてください。
北村さん
コラボしたいと思い立ったのは2月の上旬です。そしてタイミング良く今年の2月10日に、ケロロ軍曹コラボ桶の販売がちょうど6万個を達成したので、ご挨拶も兼ねてかつてケロロ軍曹の時にお世話になったKADOKAWAの担当者に連絡を入れたんです。
そうしたらすぐ「では一度、『けものフレンズ』の担当者と打合せしましょう」とお返事がありました。これが始まりです。
感涙の北村さん(イメージ)の写真
「ケロロ桶」販売6万個達成に感涙の北村さん(イメージ)
編集長
そうなんですね! 大きな会社であるKADOKAWAの、人気プロジェクトである『けものフレンズ』でその速度感はすごいですね。
北村さん
それから一ヶ月、デザインやコラボ内容をつめていったのですが、じつは最初、デザインは一種類で、サーバルちゃんの予定だったんです。
編集長
えっ! そうだったんですか!
北村さん
ところが途中でKADOKAWAさんから、「せっかくの“風呂桶”ですし、9話の温泉回に登場するキャラクターのほうが必然性があっていいんじゃないでしょうか?」」と提案があったのです。それで、デザインは温泉管理人の2人にしようと。
けものフレンズ×ケロリン桶 の2種類の写真
けものフレンズ×ケロリン桶  ©けものフレンズプロジェクトA(Yutty!編集部撮影)
北村さん
当初は2人一緒のデザインを1つの桶に入れようかという話もあったんですが、結果的に2種類の桶を製造することになりました。
編集長
その理由とは?
北村さん
まず、桶の印刷の都合です。それと、『けものフレンズ』のテーマは「生命賛歌」だと思うんです。
この作品は「みんなでドッタンバッタン」するから素晴らしい。だったら1種類である必要もないんじゃないかと。それで2種類作りましょうということになりました。
編集長
そうだったのですね。
北村さん
KADOKAWAの編集長さんと宣伝さんからはすぐにGOサインが出ました。
そうすると次はデザインです。当初は薬や健康にちなんだキャッチフレーズをつける予定だったんですが、より作品の世界観を表すならセリフのほうがいいだろうとなりました。
編集長
なるほど。
北村さん
ところが、肝心のセリフが決まらない! この作品は全てを同時並行で作っているので、放送されるセリフがギリギリまでわからないんです。
最終的に確定したセリフが届いたのが2月末の夜。そこから桶に載せるセリフを選んで3月初旬にデザインを入稿して、3月9日にプレスリリースを出す頃にはすでに製造を開始していました。
けものフレンズ×ケロリン桶 のギンギツネの写真
温泉管理人のギンギツネ、キタキツネの保護者的存在でゲーム好きなキタキツネを「先にお風呂!」と促す。 ©けものフレンズプロジェクトA(Yutty!編集部撮影)
けものフレンズ×ケロリン桶 のキタキツネの写真
温泉宿のアーケードゲームが好きなキタキツネ。磁場を感じたり、セルリアン(敵キャラ)の出現を予期したりする。©けものフレンズプロジェクトA(Yutty!編集部撮影)
 
編集長
デザインの確定から生産までが早い!!
北村さん
必死でした。どうしても最終話の放送までに製品を出したかったんです。この速度は海外生産では難しいと思います。おかげさまで、すべて国内生産という弊社の強みを発揮することができました。
笹山社長
ちなみに、弊社のケロリン桶には関東版と関西版がありますが、今回のは関東版になっています*。
*関東版と関西版の違いについて詳しくはこちら(リンク)
編集長
そして、なんと最終話が放送される前の3月25日〜26日に開催されたAnimeJapan2017での販売にこぎつけたと!
北村さん
そうですね、AnimeJapanには1000個以上納入しましたが、想定を上回る数のお買い上げをいただきました。
笹山社長
なお、価格は通常のケロリン桶と同じ1,300円(税抜)。これは「アニメ価格には絶対しない」という弊社の原則にのっとっています*。

*詳しくは【後編】(リンク)で。

AnimeJapan2017で展示されるコラボ桶の写真
AnimeJapan2017で展示されるコラボ桶©けものフレンズプロジェクトA(内外薬品提供)
編集長
最終話目前には、ニコニコ動画で一挙放送も行われました。いろんなことがすごいスピードで動いていましたね。
北村さん
そうですね! コラボを進めていて感じたことですが、KADOKAWAさんや、関係する皆さんの作品への愛情が本当に素晴らしいのです。この愛情があるからこそ、可能になった企画も多いでしょうね。
編集長
ちなみに『ケロロ軍曹』の原作者である吉崎観音先生は、『けものフレンズ』でもコンセプトデザイナーを務められていますが、これも何か関係があるのでしょうか?
北村さん
いえ、それは単なる偶然です。ただ、『ケロロ軍曹』は子供向け作品でありながら大人も楽しめる「サブカル系」の側面があり、『けものフレンズ』もそういったコンセプトですから、その点は吉崎先生のお力は大きいのではないかと思います。
笹山社長
どちらのキャラクターも、子どもから大人までみんなが受け入れられるデザインですよね。これはまさに吉崎先生が描かれた作品ならではということは間違いないでしょう。

生産が間に合わないほど人気に(でも続々製造中)

梱包される「けもフレ」コラボ桶の写真
梱包される「けもフレ」コラボ桶©けものフレンズプロジェクトA(KADOKAWA・キャラアニ提供)
編集長
各サイトでの先行予約も行われましたね。
北村さん
じつは、ちょうどいま第一次生産分が発送準備にかかっていて、まもなく皆様の元へ到着します
編集長
どのくらい予約があったのでしょう?
北村さん
ありがたいことに、予約開始日に1000個、現在(4月上旬)までにすでに1万個のご予約をいただき、いま工場で大増産をかけています!
編集長
1万個ですか! それはかなりの数では?
笹山社長
弊社のケロリン桶の年間販売数は約4〜5万個なので、「けもフレ桶」だけで4分の1くらいは売れていることになります。

北村さん
まさに「やったね!」ですね。 初回限定ではなく続々生産しますので、今手に入らなかった方も、安心して予約してください!
編集長
それはすごい! 企画、大成功ですね!
笹山社長
そうですね、この企画を通じて、「ケロリン」をもっと皆さんに知ってもらえれば、私としてもOKを出した甲斐があります。

ケロリン桶、30年は使えます

編集長
『けものフレンズ』ケロリン桶を買われた皆さんに何かメッセージをお願いします。
北村さん
今回のコラボ桶も、通常のケロリン桶と同じく、タワシでこすっても落ちない埋め込みインク「キクプリント」で印刷されています。
ケロリン桶自体もかなり頑丈で30年は使えますので、作品と一緒にぜひ長く愛して下さればと思います。
 

内外薬品の代表取締役社長・笹山敬輔さんと、コラボ企画担当の北村学さんの写真

「ケロリン桶」と『けものフレンズ』のコラボレーションは、けっして長い時間をかけて企画されたものではなく、100年の老舗製薬会社とKADOKAWAという大出版社の抜群のコンビネーションの中で、わずか1ヶ月という期間で実現したものでした。

笹山社長は現役○○○のフレンズ!? その素顔とは

なんと今回のインタビューでは笹山社長が現役○○○だったことが判明!

【後編】では取材で明かされた、「内外薬品流」の働き方や成功する「アニメコラボ」の秘訣をご紹介します!

【後編】100年企業の「企画力」〜アニメコラボに見る老舗製薬の仕事術〜

なぜ内外薬品は、このようなスピード感のあるチャレンジができたのか? その裏には、まさに「みんなで信頼しあい」「得意なことを大切に」する『けものフレンズ』さながらの企業文化・風土がありました。

 

内外薬品の代表取締役社長・笹山敬輔さん、コラボ企画担当の北村学さんと、Yutty!編集長の写真
※「ケロリン®」は内外薬品株式会社の登録商標です

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けものフレンズプロジェクト 公式サイト http://kemono-friends.jp/
けものフレンズ 公式Twitter (@kemo_anime
内外薬品株式会社 ~ 頭痛・生理痛・歯痛にケロリン https://www.naigai-ph.co.jp/
ケロリンファン倶楽部 https://www.kerorin.com/

販売情報
キャラアニ:http://www.chara-ani.com/list.aspx?search=k:kemonofriends
KORDER:http://www.korder.com/list.asp?keyword=kemonofriends

※「けものフレンズxケロリン桶」の著作権はけものフレンズプロジェクトAに帰属し、株式会社KADOKAWA及び内外薬品株式会社の許諾のもと使用しています。当記事で使用している画像、内容の一切の無断引用を禁じます。


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大谷優介

大谷優介

Yutty!編集長、歴史トラベルライター。歴史と入浴文化を中心に世界各地を取材。元温泉ホテル設備管理者。水利用施設環境衛生士、温泉健康指導士。えにし書房『台湾へ行こう! 見えてくる日本と見えなかった台湾』(藤田賀久, 大谷優介/平賀匡)著、集英社「週刊プレイボーイ」『新世代スーパー銭湯対決!』取材協力など。